二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.392 )
- 日時: 2015/02/25 19:31
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: dVgfgJj/)
千夏の部屋に着いて、四角いテーブルを四人で囲んだ。
「……で、結局何の用なの?」
「実はね、夏雲魔法学校が再来週創立記念祭やるのよ。それで、なんだけど——……」
千夏が学校用のカバンのようなものから、一枚の紙を取り出した。それは創立記念祭に関するプリントだった。
「この創立記念祭で、一番ラブラブに見えるカップル一組を夏雲魔法学校の校長が縁結びのおまじないをやってくれるの」
「ふーん……でもここに彼氏いる人いないじゃん」
あたしがそう言うと、3人に一瞬睨まれた。とても怖かったけど事実な上にあたしにもいないんだけど?
「ここにはカップルって書いてあるけど、別にカップルとして何か登録しなきゃいけないわけじゃないし、いいのよ」
「さ、さいですか……。ていうことは、この4人でやるの? 女だけで?」
「そんなわけないでしょ!? 第一ていうことは、ってどういうつながりでそうなったのよ!?」
うーん……? でもそれじゃあどうするのかな……?
「てんまよ!」
「え? てんま? なんで?」
「……あんたと会話してるとすごく……疲れるわ……。ショートはてんまのこと、好きなんでしょ?」
「へ!? えっと……うん……」
「あたし達3人もそう。つまり4人で正々堂々勝負しようってことよ」
な、なるほど……って! あたしも参加するの!? いや、もしこの3人の誰かと縁結びのおまじないされたら、それは、嫌だけど……!
「でも、そのてんまがここにいないじゃない。どうするの?」
「当然ショートにつれてきてもらうのよ」
「…………え? あたし?」
「そ。あたしが言っても来てくれないだろうし、何より同じ学校でしょ。だから頼んだわよ」
「ええっ!? そんなあ!」
あたしがつれてくるって……無理だよ! 絶対嫌がる! 来ない! 間違いない!
あとついでに休日は起きてこない! だめだこれ!
「とりあえずそういうわけで解散ね。ショートは当日なんとしてでもつれてきなさいよ」
「うっ…………が、頑張る、よ……」
*
ほしぞら魔法学校の学生寮につくなり、大きなため息を吐くあたし。
どう考えたって無理だよ……てんまがあたしの言うこと聞くわけない……。それに……こんなこと言ったら失礼だけど、夏雲魔法学校来てなんて言って、素直に従ってくれるわけないし……どうしたらいいのかなあ。
「あらショート、戻ってきたのね」
「あ、りんね……ただいま」
「どうしたの? 元気ないけど……なんかあったの?」
「う、うん……あのね——」
あたしはさっきあったことをすべてりんねに話した。すると、りんねはニヤッとしながら言った。
「面白そうじゃない」
「ええ!?」
「面白そうだから、手伝ってあげるわよ」
「え、て、手伝う……?」
どういう意味……?
- Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.393 )
- 日時: 2015/02/27 20:13
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: dVgfgJj/)
「あのりんね? 手伝うってどういう意味?」
「カンタンよ。当日ショートがてんまに夏雲魔法学校行こうって誘って、もし断ったらあたしが無理やり行かせる」
力ずくでつれていくってこと!? そんなんでいいのかな!?
それにしても、そんな無理やりつれてっててんまが誰かとラブラブに見えるようにしてくれるのかな? 第一、てんまは好きな人がいるとか言ってたし、好きでもない人と……なんて、無理な気がするけどな……。
*
あれから二週間が経ち、ついに夏雲魔法学校の創立記念祭の日になった。今日は大分暖かいらしいので、薄着で出かけようかななんて思いつつ大きなため息を吐く。
「てんまが行くなんて言ってくれるわけ、ないよね……」
やだなー、なんて思いながら身支度を整えていると部屋をノックする音が。誰だろう?
「ショート、準備できた?」
「あ、りんね! う、うん……まぁ……」
「んじゃてんまのとこ行くわよ」
うっ……行きたくない……。でも夏雲魔法学校に行って怒られるのもいやだ……。もう腹をくくるしかないよね。
「ところでてんまは起きてるの?」
「あー、なんか珍しく早起きしてたわよ。理由は知らないけどね」
「そ、そうなんだ……?」
休日にてんまが早起きするなんて珍しい……。これでもしてんまが出かける用事があって早起きしたとかだったらどうしようっ……!
不安な思いを抱きながら、てんまの部屋のドアをノックする。
「ん? なんだお前らか……なんか用か?」
「てんま、おはよ。あの……あたしと一緒に……な、夏雲魔法学校に……来て欲しいんだけど……」
「は……?」
うう、や、やっぱりダメかな……。
千夏に怒られるか不機嫌なてんまをつれてくかの二択しかないこの状況にあたしの目頭に涙がたまる。すると、てんまから意外な答えが返ってきた。
「……いいよ。行ってやるよ」
「……えっ、いいの!? ホントに!?」
ビックリして思わずりんねと顔を合わせる。今、いいって……!?
「こんなことでいちいちウソつかねーよ」
りんねが脅したわけでもないのに……! ほ、ホントに行ってくれるんだ、すっごくうれしい!
「……てんま、アンタ本気で言ってるの? 千夏のいる学校よ?」
「知ってるけど?」
「いつものアンタなら嫌がりそうじゃない。ショートが誘ってくれたから行くってこと?」
「べ、別にそういうわけじゃねえよ。ただ……今日は……」
「……もしかしててんま、おまじないのこと知ってる?」
? なんだろう……二人でコソコソ話してるみたいだけど……何かあったのかな。
「まっ、頑張ってきなさいヘタレ!」
「ヘタレって言うな!」
「あの、お取り込み中悪いんだけど早く行かないと……千夏に怒られちゃう……」
あたしがそう言うと、てんまはハッとして準備するために一度部屋の中に戻っていった。ていうかりんねずっとニヤニヤしてて怖いんだけどどうしちゃったんだろう……?
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昨日は更新できなくてすいませんでした。