二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.395 )
- 日時: 2015/04/25 11:39
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: fDoLpxww)
てんまの部屋から始まりと終わりの扉の前に着くまで、あたしたちは一言も会話をしなかった。……と、いうより、話しかけられなかったという方が合っているかもしれない。何だかものすごく気まずい。
「……おい、何ボーッとしてんだ。早く行くぞ」
「え、あ、うん……」
でも、本当にどうして来てくれたのかな……。あの四姉妹のうちの一人の魔法学校に行くだなんて、絶対に嫌なはずだよね。ていうか、千夏自身自覚があるからあたしがこんな目に遭ってるわけだし……。
そもそも、自分で誘えないほど関係がヤバいって分かってるのになんでわざわざこんなこと始めたんだろう? 千夏の自信はいったいどこから……?
「……なぁ」
「なっ、何?」
「何でお前は夏雲魔法学校にオレを誘ったの?」
「え……そ、それは……」
千夏たちに今日のおまじないのことを言うな……とは言われてなかったと思うけど……。そんなこと恥ずかしすぎて言えるわけない……!
「な、なんかね、千夏の魔法学校が今日創立祭やってるらしくて……そ、それで……かな」
「ふーん……」
間違ってはいないはずだよね。別におまじないだけしかやってないわけではないだろうし! よく知らないけど!
「て、てんまこそどうして千夏の魔法学校行くこと、承諾してくれたの?」
「……っ! べ、別にただの気まぐれってやつだよ」
「そうなんだ……」
気まぐれで夏雲魔法学校行って女装させられるんじゃ、とか考えたりしないのかな? いやでも今回はその気まぐれで助かったわけだし、深く考えないでおこう。変に気を悪くさせて帰られちゃったら困るし!
*
「おお……なんか、お祭りって感じがする!」
「いや一応祭りなんだし当たり前だろ……」
夏雲魔法学校に到着し、楽しげな雰囲気に心躍らせるあたし。
お祭りって言ったらやっぱり屋台だよね! 食べ物とかもいろいろあるし、楽しまなきゃ!
「……あ、そうだ。あのね、ちょっとだけ千夏の部屋に来て欲しいの」
「? よくわかんねーけどまぁ……ちょっとだけなら」
とりあえず千夏の部屋行って、てんまを連れてきたことを報告しなきゃダメだよね。あすかとジュディはもう来てるのかな?
「ち、千夏—……おはよう」
「ああショートおはよ。……あら、ちゃんとできたのね?」
「う、うん……」
あ、あすかとジュディもいる……! ていうかなんかめっちゃ殺気立ってるような……!?
……なんて考えてたら、千夏が思いがけないことをした。
「てんまっ! 来てくれてありがと!」
「うわ!? 何するんだよ千夏!」
なんと、千夏がいきなりてんまに抱きついたのだ。あたしがその状況に驚いていると、あすかもジュディも同じようにてんまに抱きついたり、腕組みしたりしてた。そしてあっという間に外へ行ってしまった。
「……ガチ勢って……コワイ……」