二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.401 )
- 日時: 2015/10/10 23:01
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: JKQqTkPc)
- 参照: http://uploda.cc/img/img55fe3d5645931.png
「……えいっ!」
あたしが輪を投げると、思い切り変な方向に飛んで、屋台の裏まで行ってしまった。
「……ちょっとショートさん、どこ狙ってんですかね」
「う、うるさいな、ちょっと変なとこ行っちゃっただけだよ! もう一回!」
そう言ってもう一度投げた輪は、さっきよりもおかしな方向へ向かい、後ろにあった木の枝に引っかかってしまった。
「……お前、変なとこに投げる天才?」
「…………うぐぐ」
連続で変な方向に飛ばしてしまったため、言い返すことができない。
あたしってば、こんなに輪投げヘタクソだったんだ……あまりにも酷すぎる……。
「あっ、引っ掛けた輪取らないと……!」
……って思ったけど、意外と高いとこに引っかかっててこのままじゃ取れない……。今日スカートだけど、別に誰にも見えないだろうし……木登っても大丈夫だよねっ!
「あっ! おい、お前今日スカートはいてるくせに何で普通に木に登ろうとしてんだよ!?」
「へ? いやだって……きっと見えない位置だろうと信じて……」
「アホか……いいよオレが取るから。万一誰かに見えたら……ソイツが不快な思いするだろ?」
「なっ……!? し、失敬な……!」
確かにキレイなものではないけど……いくらなんでも失礼すぎでしょ!
……とはいえ、あたしが輪投げヘタクソだからこうなったわけだし……文句は言えない……。
「……で、まだやるのか? 輪投げ」
「ウッ……もう諦めマス……」
2回中2回変な方向に行ったあたしに輪投げの才能は無い……。お金の無駄遣いにしかなりそうにないし、ほかのやつ探そう……。
「て、てんまは何かやりたいものないの?」
「は? オレ? うーん……あ、ヨーヨー釣り」
「おお……それもあたしニガテだ……」
「お前こういうので得意なやつないわけ……?」
すぐ紙の部分濡らして釣る前に切れたりするんだよね……。スーパーボールすくいとかも取る前にダメにしちゃうし……。金魚すくいとかはやったことないけど、それ系はきっと向いてないんだろうなって思う。型抜きとかも苦手だし……あとは何かあるかな……。
ていうか、実は何だかんだでお祭りは食べてばっかりのような気がしなくもないけどね……?
「よっしゃ、2個取れた!」
「いつの間に!?」
あたしが考え事してる間にてんまはヨーヨー釣りをしていたらしい……。しかも2個も取ってるし……。才能の差を感じるよ……。
「ん。1個お前にやるよ」
「え……いいの?」
「2個とれたし……いいからもらっとけよ」
「う、うん……あり、がと」
ピンクに水色の縞模様の入ったヨーヨー……かわいいな。
それにしても、何だかお腹減ってきちゃった。何か美味しいもの売ってないかな?
「てんま、お腹すいたー」
「はぁ? ……ったく、何か食いたいもんあるか?」
「うーんとね、えーとね……わたあめ! 食べたいなっ!」
「腹減った時に食うもんじゃねえだろそれ……」
あれ? 言われてみればそうかもしれない……。でも、お祭りと言ったら! 屋台といったら! わたあめなんだよあたしはっ!
「それにしても人が増えてきたねえ……どこに何があるのか分かんないや……」
あたしがそう言うと、てんまが確かに、と言ってあたしの手首をつかんできた。
「お前すぐどっか行くから、しばらくこのままな」
「……! う、うん……」
すぐどっか行く……とかなんか失礼なこと言われたような気がするけど、でも……この状況は、悪くない……かもしれない。
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久しぶりの更新です。
知らぬ間に参照17000まで100きってました。恐縮です。
17000はデジタルでハロウィンてんショちゃん描きたいと思ってます。
10月忙しいけど頑張りますん…。