二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.403 )
- 日時: 2015/11/23 22:14
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: 7HjKV4e.)
- 参照: てんショ以外書きたくない(クズ)
てんまと一緒に歩くこと数分、夏雲魔法学校の目の前まで来た。
学校の前になんだか人だかりができているけど、何かあったのかな……?
「なんかすごい人だかりできてるね。なんだろう」
「さぁ……? ちょっと見てみるか」
あたしとてんまは人混みをかきわけ、前の方へ進んでいった。すると、そこには大きな看板がたっていた。その看板には『ベストカップルトーナメント』とデカデカと書かれていた。
……? ベストカップルトーナメント……って、夏雲魔法学校のおまじないとかぶってない? どういうことなんだろう。
不思議に思い、あたしは看板の横にあったカゴに入っている、そのベストカップルトーナメントとやらのチラシを手に取ってみた。
「ベストカップルトーナメントとは、恋人同士で協力して別のカップルと競い合うイベントです。競い合う内容は組み合わせごとに変わってきます……?」
いや、いやこれ。何を競うんだ何を!? 組み合わせごとに変わるってホント何!? 意味がわからないよ夏雲魔法学校! ていうかカップルに関するイベント多いなオイ!
「あ、まだ続きがある……えーと、参加者は毎年恒例の縁結びのおまじないに関しても少し有利になります。また、優勝者にはヨーロッパ旅行のペアチケットと、クレープ一年無料券を差し上げます……って、えええ!?」
く、クレープ一年無料券だと……!? こ、これは欲しい、すごく欲しい!!
「てんま、あたしこれ出る!」
「はぁ……?」
「だってこれ見てよ! 優勝したらクレープ一年無料券だよ!? 出るしかないでしょ!」
「……お前が食い意地はってるのはよーく分かった。だけどそれ、恋人同士で出るもんだろ?」
「そうだけど……?」
「お前カレシいないから出場権すらねーだろ」
ハッ……! そ、そーだった……。あたしには相手すらいなかった……! 確かにこれじゃあ、出場すらできないよ……! どうしよう、どうしたらいいんだ……!
「そ、そーだ! 創立祭でこれだけ人がいるんだし、きっとカノジョいない人の一人や二人くらい、いるはずだ! カノジョいなさそーな人に声かけて、一緒に出てもらえばよくない!?」
「どんだけ食い意地はってるんだよ!? ていうか出てくれる人いんの!?」
「そこはほら……頑張ってお願いしたらどーにかなるっしょ」
これだけ人がいるんだもん。心の優しい人だっているよね、きっと!
「……そんなに出たいのか?」
「もちろんだよ! だから頑張って誰か探さないと!」
「……だったら、オレが一緒に出てやるよ」
「…………へ?」
てんまが? あたしと? 一緒に? ……えっ!?
「だから、そんなに出たいならオレが出てやるっての! 残念ながらオレにも恋人とかいねーし……。そ、それに受付終了時間まであと10分しかねーから……!」
「ほ、ほんとにいいの?」
「よくなきゃ言わねーよアホ!」
「あ、ありがとうっ……」
ま、まままさかてんまと出れるなんて思ってもいなかった……! て、てんまもクレープ食べたいのかな?
とにかく、てんまも協力してくれるんだし、頑張って優勝しなくちゃ!
- Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.404 )
- 日時: 2015/12/27 18:58
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: B240tmf4)
そんなこんなであたしとてんまはベストカップルトーナメントに出場するために、主催場所の広場に移動した。
ていうか、他のメンバーはちゃんとしたカップルなのかな? あたしだったらこんなのに参加したがるカレシとか嫌だな……。まぁ今回はあたしがクレープ一年無料券が欲しかったから無理やり……なんだけど。
なんてことを思っていたら、広場に設置されていたトーナメントのステージのようなものの端から夏雲魔法学校の校長が出てきた。
「みなさんこんにちは、夏雲魔法学校の校長です。毎年恒例のベストカップルトーナメント、いよいよ開催です」
……えっ? 夏雲魔法学校毎年こんなわけわからんもんやってんの!? 暇なの!? しかも校長すっごいノリノリだし!
「さて、今年の出場者の紹介をします! さぁ、出場者のみなさんステージへどうぞ!」
校長の一言であたしは他の出場者とともにステージへ。
……な、なんだかすごく恥ずかしい……!
「みなさんには、私が事前に組んでいたトーナメントで戦っていただきます! 戦う内容はその組み合わせごとに変わっていきますので、頑張ってくださいね! では、一回戦! マシュー・はなこカップルとてんま・ショートカップルです!」
……って、あたしたちが一番最初!? この大会のこと全然知らないのに大丈夫かな……!? まぁでも最初になってしまったものは仕方がない! クレープ一年無料券のために頑張らないとっ!
「……おい」
「んっ? 何?」
「一応これ……か、カップルとして出てるんだからそういう風に見えないと負けるかも知れないから、気をつけろよ」
「あ、そうだね! 頑張ろっと」
恋人っぽくしとけばいいんだよね! 楽勝だよ! ……あれ? ちょっとまって、あたし恋人いたことないのに恋人らしく振舞うのとかムリじゃない!? 何が楽勝だよヤバイよこれ!
「それでは一回戦の内容を発表します! ……えー、一回戦はお互いの好きなところをあげて、会場のみなさんにどちらがよかったか審査してもらいます!」
お、お互いの好きなところ……? って、それっててんまがあたしの好きなとこ言って、あたしがてんまの好きなとこを言うってこと!? そんなのムリだよっ! ホントのこと言って、あたしが本当にてんまのことを好きってバレても嫌だし……。どうしよう!
「では、カレシさんの方からどうぞ!」
校長がそう言うと、相手カップルのカレシさんの方が、カノジョさんの方の好きなところをスラスラ言い出す。対するてんまは無言のまま。
って、そりゃそうだよ! ホンモノのカップルとあたしたちじゃ、全然違うし! ていうか、あたしの嫌いなとこならいっぱい言えそうだよね、てんま……。
「えーと、てんまさん? ショートさんの好きなところはないんですか?」
「っえ……!? あ、えーっと…………頭は悪いし、脊髄反射だけで生きてるんじゃないかってくらいとんでもないアホだし、オレのことバカにしてくるし、子供っぽくて全然女らしくないし……」
……って、これ全部あたしのこと貶してるよね!? いくらあたしのことが嫌いだからって、そういうこと今言わなくたっていいのに……!
「でも、そういうアホみたいなところがすごく可愛くて……コイツの、ひとつひとつの仕草全部が、愛しいと、思って……ます」
…………!? てんま……何言ってるの……!? ……って、これは、演技なんだから……別に、なんでもないよね……。
ていうか、あたしのハードル上がってないか……!?
「はい、ありがとうございました! では次はカノジョさんどーぞ!」
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てんまくん本心言ってる かわいいね 結婚しよ(???)