二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.406 )
日時: 2015/12/27 19:32
名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: B240tmf4)
参照: http://x95.peps.jp/greenriver123/

あたしが何言おうか迷っている間に、相手の子がカレシさんの好きなところをどんどん言っていく。ど、どーしよ……このままじゃ負けちゃう!

「あ、あたしはっ……! て、てんまの……えっと……や、優しいところが……好きです。い、いつも意地悪ばっかり言うけど……、でも、なんだかんだであたしが困ってるときは一番最初に助けに来てくれて……。そういうところが……だ、大好き、です!」

こ、これでいいのかな……一個だけじゃマズいかな……で、でもこれ以上は恥ずかしくて言えない……!

「えー、二組ともありがとうございました。それでは、会場のみなさんに審査してもらいましょう!」

————審査中はステージの端にいていいらしく、あたしたちは目立たないところに移動した。

「……よ、よくちゃんと言えたな……お前のことだから「そんなところありません」って言うかと思った」
「なっ……! そ、そんなことしないよ。第一、あたしが無料券欲しくて出てるのにわざと負けるようなことしないもん。そ、そういうてんまこそ……よく、言えたね……」

……てんまは、ただあたしがクレープ無料券欲しいがために手伝ってくれてるだけ、なのに……そ、そりゃ演技だろー、けどっ……! そ、それでもあんな恥ずかしいこと、言ってくれるなんて、やっぱり……てんまは優しいな。そういうとこ、やっぱ好きだなぁ……。

「……まぁ、負けたらお前に殺されかねないし……何も言わねーわけにもいかないと思って」
「こ、殺さないよ! あたしのことなんだと思ってるわけ!?」
「食い意地はってるバカ女」
「なんだとお!?」

し、失敬な……! いやでもこのよくわからんイベントに参加してる理由が理由なだけに反論できない!

「それでは結果発表をします! マシュー・はなこカップルとてんま・ショートカップルはステージの真ん中に来てください!」

校長に言われてあたしたちはステージの真ん中に急いで行く。
でも、やっぱ本物のカップルでもないし、勝てないかなぁ……。全然好きなところ、言えなかったし。

「それでは結果を発表致します! 勝ったのは……てんま・ショートカップルです! おめでとうございます! 主な投票理由は「初々しくてかわいい」「応援したくなる」などですね」

え、ええっ!? 勝っちゃった……!? で、でも嬉しい! これで……無料券に一歩近付いたっ!

「……よかったな、一応、勝てて」
「うん! これで無料券に一歩近付いたよ! ありがとうてんま!」

あっ、次のカップルがステージに上がってきてる。急いで降りなきゃ……! ——よし、次もがんばるぞっ!