二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 参照700突破*とんがり 〜ほしぞら魔法学校より〜*短編集 ( No.68 )
日時: 2013/05/15 19:26
名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: 27y4eURD)
参照: テスト期間突入したから心が死ぬ

あれから十数分が過ぎた。あたしは、それとなーくアリス役をやってみる。
逆にてんまはそれとなーく王子役をやった。

「……お前がやってるの見て余計にやりたくなくなった」
「奇遇だね、あたしもだよ……」

なんてことだ。余計にやる気が失せてしまったよ。でもまぁ、なんとなくだけど役のイメージみたいなものはつかめたかもしれない。
今更だけど何で男女逆転なんだろうか。うちの校長はそういうのに趣味があるのかな? 前に女装コンテストなるものを開いてたし。何だかテツの女装姿が浮かんで吐き気がする。思い出すのやめっ!!

「でも、このままだと女装とか男装するより怖いお仕置きが待ってるわけで……」
「やらないわけにはいかないんだよな……」

男の子の格好するよりも何よりも、このままサボり続けて全員で練習する日を迎える方がよっぽど怖い。断言できる。

「————あ、そうだ」
「なんだよ」
「だったら常日頃から女の子らしくしてりゃいいじゃん」
「……は!!??」

劇だけ女の子らしくしようとするから難しいのかもしれないし……常日頃から女の子らしい仕草をできるように心がけてれば、きっと劇でも出来ると思うんだよね!

「ちょ、ちょっと待て……女の子らしくって……具体的にどういうことだよ」
「え〜? そういう男の子みたいな言葉使わないとか、ガニ股歩きしない、とか……?」
「無理に決まってるだろ……!」

でもてんまの場合そうでもしなきゃ劇の練習出来ないと思う。てんまの頭の容量の広さなんてたかが知れてるし、セリフ覚えるのも遅いだろうし。その上女の子の口調ができないんじゃ、一ヶ月後の演劇祭なんか絶対参加出来ないと思う。
……あれ? でもそうすると、あたしもじゃね?

「分かったてんま。じゃあ平等にしよう」
「びょ、平等? ってどこを平等にするんだよ」
「あたしもやる」

てんまが驚いたような顔をする。まぁそりゃそうなんだろうけど。

「は? お前が? 何だそれ?」
「あ、あたしも……なんて言うか、できる限り王子様っぽくするってこと!」
「でも……」
「そうするしか無いと思う!」

ていうか、こうまでしなきゃいけないあたしたちって一体何なんだろう。

「け、けど……ゆうきとかりんねに見られたらどうするんだよ。良くて笑い飛ばされるか、最悪病院送りになる気がするんだけど」
「そこは先に言っとけばいいじゃん。練習しろって言ったのゆうきだし、練習しなくていいのかって言っちゃえばどうにかなるっしょ」

あと普段から練習してるっぽく見せとけば本番失敗しても怒られないんじゃないかっていう……ね。

「というわけで練習に加えてそのへんから頑張ってみよー!」
「お、おー……」

Re: 参照700突破*とんがり 〜ほしぞら魔法学校より〜*短編集 ( No.69 )
日時: 2013/05/18 14:12
名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: 27y4eURD)
参照: 課題がひとつも終わらないヽ(‾▽‾)ノ←

————というわけで、さっそく『できる限り』てんまは女の子らしく、あたしは礼儀正しく振舞うことにした。けど、やはり普段の口調で喋ったりしてしまうことが多々あった。

「と、ところでよ……じゃなくて、えーと……あのさ、ゆうきとりんねに説明するときはどうする……の?」
「そ、そういえば……」

今の口調で喋りながら説明したって笑い転げられるだけな気がする。うーん……紙に書いて伝えればいいかな?

「じゃ、じゃあ紙に書いて説明し……ましょう」
「それがいい……わ」

さっきから会話が進まない。目上の人でもないのに敬語で喋るのダルい……あ、てんま年上だった。すっかり忘れてたよ……あまりにバカだから。

「おい、じゃなくて……、ねぇ、今お……私のことバカにしなかった?」
「……き、気のせいです……」

恐るべしバカの勘。
……そういえば、ほかの皆はどこで練習してるんだろう。好きなところで……って言ってたけど、そんなにたくさん練習する場所無いよね……?
一緒に練習してるのかな……うーん。まぁどっちにしろあたしたちは一緒に練習出来るわけないんだけど。下手くそだから。

「そ、それじゃあ練習しよ……しましょうか!」
「そう……ね!」

……練習って言っても、あたし途中から出る役なんだよね……。最初のとこはてんまだけでやってもらうしかないかも。

「えと……まずは最初からや……りましょう」
「分かった……わ」

それにしても、この話ホントにあの校長が考えたのだろうか……そう考えるだけでやる気失せるよね。しかもなんかやたらとメルヘンというかなんというか……あ、でも一人死ぬからメルヘンではない……かも? 白雪姫の原作では生き返ったのに、こっちだと死んじゃうんだよね……そのせいで白雪姫かなり出番少ないし。まぁでもコハネにしたらラッキーなのかもしれない。男女逆転してるし。ただ死んだ後の対処がてんまも小人役の七人も酷すぎるよね。いくら何でも死体を引きずって埋めに行くのはないよ!

「あのさ……この姉に叱られるとこ、棒読みでいいから読んでくれない?」
「え、あっ……そ、うですね一人でやるのは難しい……ですよね。分かりました」

うう、ついつい普段の口調で喋りそうになる……気を付けないと。

「あはは……お姉様の化粧品を埋めてやったわ……! お母様のインコも放してやったし、お父様の大事な時計とトイレも魔法で合体させたし!」

おぉ、最初の時よりはマシになってるかも。お姉様は化粧品になってないし、インコもアンコになってないし……いや、あれがひどすぎただけ?
……っと、そういえばこのあとお姉さんのセリフか! あたしが読まないと!

「えっ……と、もう、アリス何してるのよ! これ以上私たちを困らせないで!」

……うん、あたし女なのに男の杜若がやったのより下手くそだね。ま、まぁあたしが演じるのは王子様だし、いいよね!? うん、いいはずだ! きっと!
王子様が上手く出来るようにさえなれば、誰も怒らないはずだ! むしろ王子様をきちんと出来るようになれよ、って言われるよ!

「お、お姉様……見つかってしまいましたわね……。でも私は自分の魔法が好きだから、好きなように使ってるだけよ……」

……あ、そういえばさっきはここで一旦終了したんだっけ。その後小人と出会うとこにいっちゃったんだよね……。

「て、てんま! えーっと……さっきよりはマシになってると思……いますよ!」
「ほ、ホントか……じゃなくてそうかしら?」

マシになっただけだけどね。まぁでもお姉様を化粧品にしたりしなくなっただけ良いよね。ていうか進歩したよね。
よし、とりあえず授業もないし、今日は一日劇の練習だっ……!



=====作者より=====
来週の水曜日・・・22日から、24日まで中間考査です。
昨日と一昨日これなくてサーセン。

24日までこんな状態になってしまうかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
あと、たった3日でこんなに参照増えるなんて思ってませんでしたありがとうございます!