二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 参照800突破*とんがり 〜ほしぞら魔法学校より〜*短編集 ( No.71 )
- 日時: 2013/05/19 20:46
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: 27y4eURD)
- 参照: http://ameblo.jp/short-scuall13/
それから、あたしたちは日が暮れるまで一生懸命練習した。特別上手くなったりしたわけじゃないけど、最初より噛む回数が減った。あたしたちからすれば大進歩だ。
「……もう七時過ぎちゃったし、そろそろ学生寮帰……りましょうか」
「そうだ……ですね」
劇の練習以外での敬語はやはりうまくいかない。てんまの女の子口調も同じようなもんだけど。……劇の練習中もタメ口で喋っちゃいそうになるから怖い。
ていうか、今は台本見ながらやってるからいいけど、本番は台本無しなんだもんね。余計気をつけなきゃいけないんだよね……。
「な、なぁ……じゃなくて、ねぇ……やっぱり普段の会話くらいいつも通りでよくない?」
「台本無しでやるようになったとき絶対に女の子の口調で喋れるって断言できるなら」
「……だ、大丈夫、だよ……」
ウソくさいな。ていうかすごい動揺してるし、無理な気がするんだけど。
「で、でも……逆にこれに慣れちゃって劇終わったあと今まで通り喋れなくなったらどうするんだよ……じゃなくてどうするのよ」
「……か、考えてなかった」
「アホーッ!!」
確かに、劇終わったあとにあたしが常に敬語で喋るようになったら気持ち悪いかも。いや、大半が年上だから本来敬語であるべきなのかもしれないけど。
……ていうか、てんまが毎日女の子の口調になったらみんなドン引きだよね……。
「でもそれもそうだね……じゃ、じゃあ普段はいつものでいっか! 劇終わってからドン引きされたくないし!」
「あ、あぁ! まぁお前は敬語のままでもいい気がするけどな……」
「うるさいっ! あたしは敬語が苦手なんだよ!」
「あー、そうですか」
何あの完全にバカにしてる目はっ! ……まぁてんまの言うとおりなんだけど。あたしもさっきそう思ったし。
「んじゃ、講堂の電気消すけどいいか?」
「あ、ちょちょちょちょっと待ってっ! 今出るからぁっ!」
「ったく、早くしろよな」
あたしは持ってきたものを急いで片付けてドアの方に駆けていく。持ってきたもの、って言ってもそこまでたくさんあるわけじゃないんだけど。ただ今日、授業あると思って来たから教科書とか入れてきちゃったから、すごい邪魔……。
明日から劇本番までは教科書とか持ってこなくていいんだよね。どうせ毎日練習だろうし。
「よし、じゃあ鍵返しに行ってくる」
「あ、うん」
「先行ってていいから」
そう行っててんまは階段を駆け下りていった。
……そういえば。今更だけど……あたし、さっきまで、てんまと二人きりだったんじゃっ……!? て、ていうか……残りの三週間、ずっとてんまと二人で練習するのっ!? なななな何か急に恥ずかしくなってきちゃったよ……っ! と、とにかく急いで帰ろう! うん!
————と、焦っていたせいか、あたしは階段を踏み外してしまった。
「ひゃああああっ!!??」
ズダダダダッ、という轟音が響く。落ちるときにあちこちぶつけたせいか、体のいたるところが痛い。起き上がるのさえ辛い。というか正直言って起きれない。
——そして、目を開けるとさっきまで一緒にいた人の顔があった。
=====作者より=====
今日は休日なので更新(笑)
明日明後日は微妙です。できれば更新したい(
あと、学校の設定とか微妙に忘れてるのでいろいろ間違ってるかもしれませんww
そこはスルーでお願いします!w
- Re: 参照800突破*とんがり 〜ほしぞら魔法学校より〜*短編集 ( No.72 )
- 日時: 2013/05/23 17:47
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: 27y4eURD)
- 参照: http://ameblo.jp/short-scuall13/
「……おい」
その顔が、あたしの顔を覗き込む。視界はぼやけているけど、ハッキリ分かる。てんまだ。
「んー……何?」
「何はこっちのセリフだ、バカ。何やってんだよ」
「え? えっと……階段で足が滑って、ズダダダダっと勢いよく落ちました」
「そんな説明されなくても大体分かる」
じゃあなんで聞いたのさ! って、あの轟音聞けばわかるか……。
「……ていうか、お前、さぁ……」
「何?」
ほんの少し、てんまの頬が紅潮する。
「パンツ見えてんぞ」
「へ!? って、でも体中痛くて動けない……」
手を動かすのさえ辛い。あたしはどうやって転んだのだろうか。防犯カメラなるものがあるならちょっと見てみたいとすら思う。
「……どうやって帰るんだよお前は……」
「痛くなくなったらかな!」
これは最悪学校に寝泊りする羽目になりそうな状況だけど、それ以外方法ないような気がする。……先生が学校の戸締りするときどうしたらいいんだ。お気になさらず、とでも言えばいいのだろうか。……あ、気にする気にしないの話じゃないか!
「……ったく、しょーがねーヤツだな……」
「へ……?」
あたしが呆けていると、てんまがあたしの視界から消え、あたしの体が浮く。何が何やら分からないでいると、近くにてんまの顔があった。そして、ようやく事態を理解した。あたしは、てんまにお姫様抱っこをされていたのだ。
「ちょ、ちょちょちょちょっとてんまっ……!? な、なな何をしてっ……!」
「歩けないんだからしょうがないだろ。あの状態で学校にいたら学校側にも迷惑だろ」
そっ、そりゃあそうだけどっ……!
「だ、だからって何でお姫様抱っこなの!? 意味分かんない! てんまのバカ!」
「うるせー。元の原因は誰だか考えてみろ」
……あたしだけど。でも別にお姫様抱っこじゃなくたって良くない!? ていうか、あたしお姫様抱っこ嫌いなのにっ! ……まさか知っててやってるとか? うん、ありえるかもしれない。コイツならやる気がする。そして最終的にそのままあたしのこと落としそう。
「てんま、もうここでいいから降ろしてっ……!」
「何でだよ。歩けるのか?」
「多分無理だけど、このままだと今のあたしの体よりも心の方が傷つきそうだよ!」
「は!? 意味分かんねぇよ!」
「だって怖いんだもん! 今度誰かにやってもらえばきっと分かるよ!」
ていうか、怖いから嫌いなんだよ……。
「やってもらえば、って誰がやるっていうんだよ。別に落とさねーしいいだろ」
「そういう問題じゃない! 落とさなくたって落ちちゃうかもしれないじゃん!」
「おい、お前遠回しにオレのことバカにしてるだろ」
……何故バレたんだ! うん、遠回しにバカにした! だっててんま、あまり男の子に見えないんだもん! ついでに腕力なさそうっていうイメージがあるから。
「……君のような勘のいいバカは嫌いだよ!」
「思い切りバカにしてるだろ! って、それ要するに合ってるってことじゃねぇか嬉しくねえ! お前ホントオレのこと何だと思ってるんだよ畜生!」
「そうだね、男らしくない!」
性格も外見も! ……とまで言ったらホントに落とされそうだから言わないでおくけど。とか言ってこれで落とされたらどうしよう。まぁ事実だから認めていただけるとありがたいね!
「……お前がオレのことバカにしてるのはよーく分かった。だったらお前がオレのことを男らしいっておもうまで、ずーっとこのままにしてやる」
「……え? えぇぇっ!!?? 何それすごく困る!!!! あー、あー、ごめん! ウソだよてんま超男の子!」
「超男の子って何……ていうかむしろそっちがウソだろ……」
だから何でバレるのっ!!?? てんまってば読心術でも使ってるの……!? あーもー、最悪だよぉっ!
=====作者より=====
昨日書くって言っときながら書かないですいません・・・。
わたしにも勉強とか課題とかがあるのデス・・・・。
知ってる人いるかもしれませんが、お姫様抱っこ嫌いはわたしがそうだからです。
超嫌いです。お姫様抱っこは女の子の憧れ的な感じになってますがそうでない人もいるのです。わたしとか←
あと明日で中間テストそのものが終了します。返却はまた別の話です・・・w
ただ土曜日普通に学校あるのでもしかしたら明日更新できないかも、です・・・分からないですけど。とりあえず明日で中間テストは終了なので暫く頑張ります!
参照増えてて嬉しいですありがとうございます!
- Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜*短編集 ( No.73 )
- 日時: 2013/05/26 16:47
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: 27y4eURD)
- 参照: http://ameblo.jp/short-scuall13/
てんまにお姫様抱っこされ続けて十数分が経過した。一向に降ろされる気配はない。かといって落とそうともしないけど……。それ以前にあれから一言も会話をしていない。何なんだこの沈黙は。
「……て、てんま……あの、そろそろ降ろしてもらえませんか……」
「いや、学生寮までは問答無用でこのままですけど。お前歩けないだろ……」
うっ……! そりゃ、そうだけどっ……! でも、だけど、やっぱり恥ずかしいよ……! 今のところ誰ともすれ違ってないけど、このあと誰ともすれ違わないって決まったわけじゃないし……。ていうか、ホントに誰かとすれ違っちゃったらどうするのさ……絶対バカにされるよ……! ……ハッ!
「ちょちょちょちょっとてんま! 学生寮まで降ろさないって……ゆうきとりんねに見られたらどうするのさ……! 恥ずかしくて死んじゃうよぉっ!」
あたしがそう言うと、てんまは半ばバカにしたような表情で言った。
「は……? 口調変えるの平気ならこれくらい何でもないだろ……?」
「うぐっ……」
てんまが言ってるのが、日頃から口調を変えようという話のことだというのはすぐに分かった。た、確かにそうかもしれないけど……!
「でもでもやっぱりこっちの方が恥ずかしいよ……! ぎゃ、逆にてんまは恥ずかしくないの!?」
「いや、あんな女口調で喋るよりは全然恥ずかしくないけど」
ぐああっ! なんかもう色々とダメだ! そして、あたしが何とか降ろしてもらおうと努力していると、最悪の事態が起きた。
「あれ? てんま……に、ショート? えっ、な、何でそんなことになっちゃってるの!?」
なんと、この状況で千秋が現れた。このあと間違いなくゆうきとりんねに会うから、これ以上誰かと会いたくなかったのに……。
「いや何でお前がいるんだよ。もう戻ったんじゃなかったのか?」
「え? あ、そっか二人には言ってなかったっけ。あのね、演劇祭までは裏方の人も含めて、皆ほしぞら魔法学校の学生寮に泊まることになってるの。ほら、いちいち来るのも大変だから」
あ、そうか……そういうことか。確かにわざわざ行ったり来たりするのは大変だよね。
……って、んん? それってつまり今あの学生寮には全員いるってことで……えっ!?
「……で、二人は何があってそんなことになっちゃったの?」
「え、あ、えっと……」
「このバカが階段から落ちて、怪我したからだよ」
てんまがあたしのことを思い切りバカにした顔で見ながら言った。
あたしはあたしで、事実っちゃ事実だけど、そこまでバカにしなくてもいいでしょ……! と思いながらてんまのことを涙目で睨んでいた。
「ふぅん……そりゃ災難だったねぇ。というかショートは王子様役なのに怪我して大丈夫なの?」
「え? あ、そうだね……まぁそのうち治るでしょ!」
「そ、そうじゃなくてさ……怪我して動けなかったら練習できないのに、大丈夫なの?」
………………。そうだった! あたしド下手くそだから休んでるヒマなんかなかった! うわあああ、どうしようっ……!
「菖蒲あたりに頼めばいいだろ……」
「あ、そっか! って、またあんなクソ苦いもの飲まなきゃいけないの!?」
「自業自得だ、バカ」
確かに前に菖蒲にもらった薬飲んだらすぐに治ったけど……あんな苦いの飲みたくないよ……。菖蒲じゃなくて杜若に頼んでもう少し苦くないの無いか聞いてみよう。
「……それにしても、てんまって一応男の子だったのね……」
「どういう意味だ」
「いやあ、だっててんまって男の子らしくないんだもん! 女の子抱っこ出来ると思ってなかったからさぁ!」
「殴るぞ」
……千秋も同じこと考えてたんだ……。まぁそうもなるよね。てんまだもん。
「てんま、怪我してるから抱っこするのはいいけど、我慢も大事だからね?」
「……千秋、お前はオレを何だと思ってるんだよ……」
「え? そうだね……男の子っぽくはないけど一応男の子ってとこかな」
「意味分からねぇよ!」
……? 何の話だろう……。ていうか、あたしはいつまでこの状態でいなきゃいけないの!?
「て、てんま! 早く帰ろうよ! 無駄にこんな状態でいる必要性はないよね!?」
「あーハイハイ……ってことでどこ行くのか知らねーけどじゃあな千秋」
「うん、じゃあね」
そういえば千秋はどこ行くんだろう。……まぁ、いいか。とりあえずあたしは来るべき恐怖に備えて心の準備をしておこう……。
======作者より======
ショートです。テストそのものは一昨日終了しました←
ついでに昨日既にテスト半分返ってきてます^p^
それと参照900突破ありがとうございます!