二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜*短編集 ( No.81 )
日時: 2013/06/07 19:09
名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: 27y4eURD)
参照: http://ameblo.jp/short-scuall13/

「おーい、てんまぁー! いるんだったら返事してー! いなくても返事しないと殴るよー!」
「お前自分で言ってることの意味理解できてんのか?」
「あ、てんまいたんだ」

どっちにしろいたんだからいいじゃないか! いなかったら後で見つけた時に殴ればいいだけなんだけど……うふふふふ。

「……なんか今すげぇ嫌な感じがしたんだけど」
「気のせいだよ。ていうか、あたしたち下手くそなんだからさっさと練習するよー!」
「れ、練習ってお前……もういいのか? つか、やるにしたってどこでやるんだよ」
「全然平気だよー! ……それに関しては移動しながら考える」
「移動しながらって、どう考えてもおかしいだろ」

それはそうなんだけど。昨日学校で練習したのがダメだったかなぁ……でも、ホントにどこでやろうかな。広場とかは誰かが先に使ってるだろうしなぁ。海……はちょっとね。

「じゃあお化け屋敷はどうだ?」
「……え!!?? そ、そそそそんなとこで練習なんかできるわけないでしょ!」
「ああ、怖いからか?」

ニヤニヤしながら言うてんま。明らかにあたしのことをバカにしている。

「そ、そうじゃないもん! あんな狭いところでできるわけないでしょ!」
「家具とか動かせば広く使えるとこもあるだろ」
「うっ……! え、えと……そう! 汚いからヤダ!」
「お前の部屋よりはキレイなんじゃないか?」
「失礼な!」

汚くないのか、と聞かれたら否定できないけど流石に幽霊屋敷よりはキレイだよ……! しばらく行ってないからどんくらい汚いか忘れちゃったけど。

「とっ、とにかくあんな汚いとこダメったらダメッ! それなら森のほうが……って、森でよくない?」
「……そうだな」

割と悩んでたはずなのにアッサリ解決しちゃったよ……。とにかく、急いで行って練習しないとね……。
きっと皆も頑張ってるだろうし、あたしも頑張らないとね。やりたかったわけじゃないけど、選ばれちゃった以上は頑張らないとダメだよね!

 *

————歩き始めて十数分が経過し、目指していた森に到着した。森で練習している人はいなかったし、その周辺にもいなかった。まるで貸し切り状態といった感じだ。いや、昨日の学校もそんな感じだったけれど。
それにしてもやっぱり森に来る人はいないんだね……皆広場でやってるのかなぁ? ていうか他に出来るとこってあんまり無いような気がしなくもないんだけど。

「ところでよ……」
「ん? 何?」
「なんでお前は学校でもないのに制服着てるんだ……?」
「え? いつもそうだけど? そもそも私服全然持ってないんだもん。いちいち選ぶのもメンドくさいしさ」
「お前それ女子としてどうなんだよ……」

しょうじゃないじゃん。制服が一番ラクなんだもん。一日の中で一番着てる時間が長いのは(長期休暇を除いて)制服だと思う。というか一年中で考えても制服が一番長いんじゃないかって思っちゃうくらい制服着てる時間が長いかも……。
制服って最初からこうだ、って決まってるからいいよね。懐かしの制服オンリィだよ。

「まぁオレもオシャレとか別に興味ねーし、人のこと言えないけどな」
「そうだよ、てんまだって私服いつもダサ……何でもない」

なんで睨むんだ……。いやっ、別に変とか似合ってないわけじゃないけど他の男子と比べたらやっぱり劣るよね!

「……ったく。練習するぞ」
「はーい」

と、とりあえず気持ち切り替えて、練習頑張るぞーっ!



=====作者より=====

やるやる詐欺スイマセン……最近折り紙ハマってしまって(言い訳)
できる限り頑張りますん……

Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜*短編集 ( No.82 )
日時: 2013/06/08 21:32
名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: 27y4eURD)
参照: http://ameblo.jp/short-scuall13/

……そんなこんなで数時間が経過し、あたしたちはお昼ごはんを食べていた。いや、お昼ごはんとは言っても実際、お弁当とかは持ってきてないし学生寮に戻ってお昼を食べるのもめんどくさいので、近くにあったベリーなどを摘んで食べているだけなんだけど。

「……それにしても、よくあの校長こんな話書いたよな……」
「確かにね……。あの校長が台本書いてるとこなんて想像つかないよ。むしろ何もしないでグダグダしてるとこしか想像できない……」
「それはそれで嫌すぎるけどな」

学校の長、校長先生としてどうかと思うけど、そういう人だからしょうがない。
とはいえ授業がないのはラッキーだったかも。確か来週辺りに魔法語のテストが予定されてたんだよね……劇の練習あるからそれも無いはず! そこは演劇祭に感謝しないとね。

「とりあえず三週間以内に演技できるようにして——……って、あ!」
「なんだよ」
「そういえば、いつだったか忘れちゃったけど衣装合わせとかあったよね……」
「あ」

そのために明日身体測定みたいなものをやるらしいけど……めんどくさいなぁ。ていうか、王子様の衣装ってどんななんだろう。動きづらいのだったらちょっとやだなぁ……制服も動きやすいわけじゃないんだけど。
……って、ん? 衣装……と、いうことは……。

「てんま、また女装じゃん……ぶふっ」
「今更!? ていうか笑うなよ!」

この前も女装してたのにね……。まぁでもきっとてんまなら似合うだろうなぁアリスの服……。どんなのか見たことないけど、なんとなく似合いそう。とりあえずあたしが着るより似合うんじゃないかな……?

「つか、オレ以外の男子も皆女装だろーが」
「言われてみればそうだった……忘れてた」
「サラッと酷いこと言ったな」

コハネとか白雪姫じゃん……どうなるんだろう。でも、てんま以外の女装姿って見たことないからちょっと楽しみかも。あと小人のデザインどんななんだろう? 気になるなぁ。やっぱりシンプルイズベストなんだろうか……。

「ああ……でもそうなんだよな……また女装……。その上女口調とか嫌すぎる……。終わった瞬間黒歴史だろこれ……」
「あははっ、きっとてんまのやるアリスは可愛いよ、きっとね!」
「それは褒めてるのか? 貶してるのか?」
「褒めてるんだよー」
「あんま嬉しくねぇ……」

てんまが女装したら女の子にしか見えないもん。むしろ女の子の格好してるんだから誰もおかしいなんて思ったりしないと思うんだけどなぁ。それは初めて見た人が……って話なんだけど。キャスト知ってるあたしたちが見たら面白いだけかも。

「この演劇祭のいいとこっつったら、テストが無いことと————……」

てんまがあたしのことを見てくる。何だろう?

「……? 何?」
「…………何でもねーよ」

えぇっ!!?? 何それ意味分かんない……! 何なんだァーッ!



=====作者より=====

今回ちょっと短いですん。

そして作者はてんま大好きだよ。ショートさんは超鈍感だよ。

あと頑張っててんまの絵を描くよ。