二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜*短編集 ( No.87 )
日時: 2013/06/12 22:24
名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: 27y4eURD)
参照: http://ameblo.jp/short-scuall13/

「ていうかさぁ……イトもそうなんだけど、姫とアリスより小さい王子様って……」
「も、文句言わないでよっ! 大体そんなの最初から分かってたことじゃん!」

身長のこと言うならアリスの役をゴスペルにするしかなかったんじゃないかな……! あいつすごいチビだし……。もしくは王子様の役をあたしより背の高い女子がやればよかったのに。それこそジュディとかが立候補してたんだから、立候補者優先すればよかったのになぁ。

「皆さん、衣装に着替え終わったのなら早く元の位置に戻ってください」
「……? まだ何かあるの?」

あたしたちは校長先生の指示通り、元いた位置に戻る。

「えー……練習時間も残り半分となりました。そして折角衣装も完成したので、慣れるためにこれからは役の衣装を着て練習を行ってもらいます。
勿論、転んだりして衣装に穴をあけたりしないように練習してくださいね」

うげげ……嫌だなぁ。この格好すごく動きづらいのに……でも動きづらいからこそなんだろうけど。いきなりこの動きづらい衣装着て演技なんか出来るわけないし。
……でも一番嫌なのは衣装に穴あけたりするなってとこだよねぇ。あたしすぐ転ぶからなぁ……気をつけて動かないと。

「チビ王子、アンタ一番すっ転ぶ確率高いんだから気をつけなさいよ」
「わ、分かってるよ! ————ってチビ王子言うな!」

あたしがチビなんじゃなくててんまがちょびっと高いだけだもん!
うう、でもやっぱり不安だなぁ……破けたりしたら確実に怒られるよね……これはもう、衣装着てるあいだは常に気を配ってないと、ってレベルだねこれは。

「ところでさぁ、ショートとてんまはちゃんと演技できるようになったのか?」
「え、い、一応は……」
「ふーん、てんまは?」
「……最初よりは……」

杜若があたしとてんまを疑うような目で見てくる。
流石に最初ほど下手くそじゃないもん……! まぁ杜若ほど上手くもないけどね。ていうかホント杜若がアリス役やればいいのになぁ。あんだけ上手いんだから……。

「……ショートが失敗しても可愛いって許せるけどてんまが失敗したら殴ろうかな」
「何でだよっ! 差別じゃねーか!」
「いや、だっててんまは可愛くもないしカッコよくもないし、挙げ句の果てに大根役者だし……」

何かてんまがボロクソ言われてるけど事実だから何も言えない。まぁあたしはアリスの格好してたら可愛いと思うけどなぁ。カッコいいとかはないけど。

「う、う、う、うるせぇぇっ! お前だって可愛くもカッコよくもねーよ!」
「いやでもお前よりは演技できるし? そしててんまよりカッコ悪くはないと思う……って言っとく」
「は? お前のどこにカッコよさがあるんだよ。鏡見てこいっつの」
「いやだからてんまよりはカッコ悪くないだけで、カッコいいとは言ってないだろ! てんまがダサすぎるだけだ!」

……な、なんか喧嘩が始まりそうというかもう既に始まってるような……?

「ダサ……!? じゃあどこがオレよりカッコいいのか言えよ! オレが納得できるくらい丁寧に!」
「あぁ? まずは性格とか……? お前性格悪いじゃ……」
「ストップ、ストーップ! 二人とも喧嘩やめてーっ! 正直言ってそんなくだらない喧嘩してる二人にカッコいいとこなんかないからおとなしくしててっ!」
「ショート、あんたハッキリ言いすぎよ。もっとオブラートに包んで発言しなさい……いくら事実とはいえ二人が可哀相でしょ」

……可哀相……なのかな? 思ったこと素直に言ったらダメなの?
ていうかゆうきもあたしが言ったこと全力で肯定してるよね。

「ほら、二人が落ち込んでるじゃないの! 確かにカッコよくないけど!」
「だって喧嘩するから……ってだからゆうきも言ってるじゃん!」

あたしが謝らなきゃいけないなら、ゆうきも謝れー!

Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜*短編集 ( No.88 )
日時: 2013/06/14 18:53
名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: 27y4eURD)
参照: http://ameblo.jp/short-scuall13/

何だかんだで二人のくだらない喧嘩を止めて、衣装から最初着てた服に着替えなおす。
ていうか別に一日潰さなくたってこのあと午後から練習できるんじゃないかなぁ? 何でわざわざ練習ナシにしたんだろ? よく分かんない……。

「まあでも、折角練習ないんだしゆっくりしようかなぁ……」

自分の部屋に戻ってお昼寝でもしよう。うん、そうしよう。
と、あたしが午後の計画と言えないような計画をたてていると……。

「なぁ、ショート! 午後一緒に出かけないか?」
「ほえっ!? なんというタイミングで……あたし、午後から昼寝しようと思ってたんだけど……」
「えー……いいじゃん……だって一人つまんねーんだもん」

杜若が不服そうに頬を膨らませる。何だか幼い子供のようで可愛い。

「しょうがないなぁ……でも出かけるってどこに?」
「いや、姉ちゃんに頼まれて植物魔法学校の学生寮行ってナントカを取ってこいとか言われて……そのついでにどっか行こうかと」
「ふぅん……相変わらず菖蒲に逆らえないんだね……」

なんともあの二人らしい。ていうか菖蒲は完全に杜若のことコキ使ってるよね。あたしもゴスペルのことコキ使ってるから何とも言えないけど……。弟って便利だよね。
でも菖蒲と杜若は双子だから大して差なんかないはずなのになぁ……うーん。

「あらショート、杜若とデートでもするの?」
「なっ……デートじゃないもん! お出かけするだけだもん!」
「でも二人だけで出かけるんでしょ? しかも自分のこと好きって言った相手だし男女二人きりってやっぱ」
「うううるさいなぁ! デートじゃないったらデートじゃない! もうゆうきは黙っててよーっ!」

まったく、ゆうきは自分のことには死ぬほど鈍いくせに他人のことになるとスグこれだ。その時間を自分のことを考える時間に置き換えたらいいと思うんだけどなぁ。ま、ゆうきがあさひのこと好きなんてどうせ皆知ってるだろうけどね。

「ふーん……まぁアンタがそう思ってても杜若がどう思ってるかは分かんないわよ?」
「? ……何それ、どういう意味?」
「……だから、もしかしたら杜若はアンタと二人で出かけることをデートだと思ってるかもしれないじゃない」
「いやいやそれはないよ! 大丈夫!」

流石にそれはないと思う! だって二人で出かけるだけがデートだったら……だったら……あたし、てんまといっぱいデートしたことになっちゃうもん……。だ、だから違うんだもん!

「……ってショートが言ってるけど、杜若は実際どうなの?」
「え、いや、えーと……そ、そういう思いが無かったわけでもない……こともなくなくなくない」
「どっちよ!? まぁどうせあったんでしょ……」
「黙れ!」

……!? か、かかか杜若は何言ってるのかな? あたしバカだからちょっと分かんないかも……。だって別に二人で出かけるだけじゃん! 大体デートって付き合ってる人達がすることなんじゃないの!? 違うの!!??
なんかもう頭がこんがらがってきたよ……!

「……だってショートっていつもクソてんまと一緒にいるし……」
「アンタほんとてんまの扱いヒドいわね。気持ちは分からなくもないけど」
「だっててんまがクソじゃなかったら何だって言うんだよ」

……なんか今日はてんまがスゴイボロクソ言われてるね。あたしも分からなくもないかな!

「バカだしアホだしその上全然素直じゃねーし見た目がいいわけでもな……」
「おいお前らさっきから人のことボロクソ言いすぎなんだよ。あとお前も端でうんうん頷いてるんじゃねぇ!」
「何でバレたの!?」

自分が悪く言われてる時だけは鋭いんだから! まったくもう!
っていうか、あれ……?

「ねぇもう皆いないよ? 杜若は行かなくていいの?」
「あわわ、ホントだ! てんまの罵倒は後回しにしてさっさと行こうぜショート!」
「えっ、あ、うん!」

杜若にグイッと腕を引っ張られ、そのまま腕を引かれていく。
————そういえば、菖蒲に頼まれたもの分かってないまま行って大丈夫なのかな?


=====作者より=====

劇の前にカワイソウ(笑)な杜若をショートといちゃいちゃさせてあげることにしましたwwwwwwwww