二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: AC3 獅子座の傭兵 ( No.7 )
- 日時: 2013/04/03 22:05
- 名前: 白好 ◆HKd.S8Pft6 (ID: W3Oyo6TQ)
第一章 レイヴン試験編 始動
なぜ俺は暗闇の中にいるのかと思った
自ら望んだのに
なぜガチガチと音が聞こえる
歯が小刻みに当たっているからだ
なぜ歯が小刻みに当たっているのか
恐怖しているからだ
なぜ俺は恐怖しているのか
……死んでしまうかもしれないからだ
こんな自問自答が頭をかき乱す
恐怖
今はそれしか思いつかない
過去にもこんな経験はあったのに
情けない
ただただ情けなかった
『大丈夫ですか?』
スピーカー越しに声が聞こえる
若い男の声だ
俺と同い年くらいの若い男の声
「だ…大丈夫だ……!」
俺は男に返答するが
声は震え、声も小さい
平気な人間がこんな返答するはずがない
『……僕はアップルボーイ、あなたはなんて名前ですか?』
こいつ正気か?
もうすぐ死ぬかもしれないのに名前を聞くなんて
……まぁ質問を聞かれて返答しないのは俺の流儀に反するからな
「エル・レグルスだ、エルでいい」
『エル、ですか…いい名前ですね』
「お前もな、アップルボーイ」
『有り難うございます、年齢は?僕は22です』
本当に馬鹿だ
意味のない質問になるかもしれないのに……
続く
- Re: AC3 獅子座の傭兵 ( No.8 )
- 日時: 2013/04/03 22:38
- 名前: 白好 ◆HKd.S8Pft6 (ID: W3Oyo6TQ)
第一章
アップルボーイ
「…22だ、お前と同い年だ」
声の震えが取れた
この時は気づかなかったが
『同い年の受験者ですか、あの……』
「……なんだ」
『何で……レイヴン試験を受けたんですか?』
呆れた
呆れかえるよ本当に
「何で聞くんだ」
『え!? ただ気になったから、です…』
気になった
気になったか
そうだな、質問するのに理由なんて無い
気になったら聞く、ただそれだけだ
だが敢えて俺は質問を返す
「お前は……アップルボーイは何でこの試験を受けたんだ?」
その質問に即答で答えた
『僕のヒーローだからです!』
「………ブフッ!」
『……!?』
面白かった
笑えてきた、ヒーローだから
言い張って、言いやがった
別にヒーローになりたいと言うことに笑っているわけじゃない
胸を張って言い放った
「アハハ…アハハハハハ!」
『ちょっ!何で笑うんですか!?』
「アハハ…ご、ごめん!別に馬鹿にしてる訳じゃないよ!」
『……! 口調変わってますよ?』
続く