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「だ、誰なんですか？ その二人って……？」
サクラが問いただしても、クロはただ首を左右に振るだけだった。
「それは言えないわ。いずれその時が来れば分かる……」
そう言い残すと、クロは人混みの中に姿を消した。
「いったい誰が来るんだろ？」
「ま、今度の日曜まで気長に待とう。そだ、サクラ。俺達もカードトレードするか？」
「おっいいね、やろやろ！」
そう言うと二人は、互いのカードファイルを開いた。



そんなわけで時間は過ぎ、やって来た日曜。バトスピセンターには、多くの人々が集まっていた。いずれも、カードバトラーに変わりはない。
「うへ〜、こんなに混むなんて思ってなかった……」
「こんなもんだよショップバトルって。さてさて、今回の優勝賞品は何かな〜？」
そう言うと、サクラは人混みを掻き分けて先に行ってしまった。
リュウセイは受付を済ませるためカウンターへと足を運んだ。
「あら、リュウセイ。あんたも参加するの？」
待ち構えていたかのようにキマリ姉が笑顔で話しかけてくる。
「まぁそうだけど。あ、参加申請お願い」
「はいはい……。っと、そうそう、参加費の100円」
「あ、参加費いるんだ。……はい」
リュウセイはポケットから100円玉を取り出し、カウンターに置く。
「はい、これで参加完了！ トーナメント組むのに時間かかるから、暫く待っときなさい」
「オッケー！」
そう言うと、リュウセイはカウンターを離れ、巨大ディスプレイの前へと向かった。サクラの話だと、そろそろ優勝賞品が発表されるはずなのだ。
と、突然モニターに光が灯り、一枚のカードが映し出された。

時統べる幻龍神アマテラス


そのとたん、一気にセンター内がざわつき始めた。恐らく、というより確実に賞品を見て動揺しているのだろう。
「は〜い、皆さん注目！」
その声を聞き、リュウセイがステージを見るといつの間に移動したのかキマリ姉がステージでマイクを握っていた。
「今回の優勝賞品、気に入ってくれたかな？けど、今回はこれだけじゃないわよ！優勝者はなんと、この二人のうちどちらかとの対戦権が与えられる！では、二人とも出てきて！」
キマリ姉が叫ぶと、突然ステージに七色の光が射し、煙が噴出したのだ。その煙が晴れると、そこには二人の男が立っていた。
そのとたん、サクラは驚愕を隠せない表情で片方の人物を見つめた。

「お……お兄ちゃん！？」