ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

サクラが呆気にとられた表情で見つめているのは、左手に箸とふりかけごはん、右手にカードケースを持ち、頭の3本のアホ毛が特徴的な青年だった。
その人物を、リュウセイは知っていた。バトルフィールドで世界初勝利を上げ、バトスピ世界大会決勝で棚志テガマルと激戦を繰り広げたカードバトラー。
そして、幼馴染みのサクラの兄でもある。

日昇ハジメその人であった。

「お前らぁ！ バトスピ、楽しいかぁぁぁ！！？」
『おおーっ！』
ハジメの一言に、会場内全員が声を揃えて返答する。
なんという人気なのだろうか。正直言ってびびった。
「お前らの挑戦、待ってるぜ！」
『おおーっ！』
ハジメはそれだけ言うと、マイクをもう一人の青年に渡した。
「お前達！ 我が名は棚志テガマル。この俺とバトルしたいのならばそれ相応の覚悟でこい。それでは、健闘を祈る」
『おおーっ！』
またしても会場が歓声で埋め尽くされた。その大きさといえば、会場内がしばらく震えるほどだった。
「はーい！ それでは、トーナメント表の発表です！ ブロックがA〜Fまであり、各ブロック、4人ずつで競います。それでは、トーナメントオープン！」
キマリ姉の掛け声で、ディスプレイの映像が移り変わり、トーナメント表が現れた。
リュウセイはCブロック、サクラはEブロック、そして、最初のバトルは。
「よっしゃ、俺だ！」
ミカドは、Aブロックの一番左端。つまり、一番最初にバトルをすることとなる。
「えっと、僕の相手は……。ってえぇっ！？」
リュウセイは自分の対戦相手の名前を見て驚愕した。
そこに表示されていた名前は。

神宮凶。

リュウセイの担任であった。