二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re:第八十一話 ( No.143 )
日時: 2013/07/24 16:59
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: b92MFW9H)


「……お前、頭大丈夫か? 正気か?」
「大丈夫、正気だから。結果的に出来るの?」
「……出来るぞ? 死ぬ気で努力すれば」

 まさかの発言。
 死ぬ気か……。僕に至っては常に死ぬ気だけどそれとはまた違うのかな。

「どんな努力?」
「慣れるのが大切——」
「それじゃあやろうか」


 と言うわけでクソ薄汚い建物に戻る。
 同時に意識が途切れると言うこの忙しさ。ホントに何これ?


「起きろ馬鹿」

 外から声が聞こえた。
 目を開けようにもまぶたがない。体もない。ただ、真っ暗な闇が広がっていた。

「まあ、ここは体がない。慣れてきたら見える様になるんだ。念じて話すことになるんだが、お前はまだ——」
「こんな感じ? 聞こえてる?」
「……マジかよ」

 うん、聞こえてたみたい。
 後は気絶しないようにしないと……。

 ……にしても、ここって何もない。
 この前ルピナスが「楽しそうだな」って念じてまで言った理由が少し分かる気がする。

「流石だな、もう良い。戻るぞ?」
「ううん、まだここで良いよ。ルピナスはこの薄汚い建物の中で楽しんでて良いよ」
「嬉しくない……。まあ良いか、実体があるだけでも……スカートじゃないだけマシだ!」

 ……そういえばルピナスって男だっけ。そして地味にツンだった気がする。
 僕ズボン穿いてたんだっけ。大丈夫、身長と性別以外は同じようなものだから……!
 でもルピナスなら建物粉砕しそうだから早く終わってほしいかも……。

「もうそろそろ助けが来るようだ。やっぱり戻る」
「え、誰か来たの!? 戻って戻って!」
「うるさっ……」

 ボソッとルピナスが呟くと同時に、僕は目が見えるようになる。
 直後に不良の悲鳴。何それダサい……。
 うん、……行こう。扉吹っ飛ばして行こう。不良殺してでも行こう。そして助けに来た人にお礼を言おう。
 そうと決まれば話は早い。腕も足も縛られてないし、別に魔法が使えない訳でもない。
 ここまで来て必要なことは、体力、暴力、言葉、だけだろう。うん。

 脳内でルピナスが

   ——よーい……スタート!!——

と、僕の考えを悟ったようなことを言う。
 僕はそれに合わせて走り出した。