二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re:第八十三話 ( No.147 )
日時: 2013/08/29 18:48
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)

「ふぇ!? あ、あれ……?」

 目が覚めた場所は——アルバのベットの上。うん、扉が壊れっぱなしだし間違いなくアルバの部屋。
 さっき起こったのはなんだったんだろう……。

「あ、リンネ起きた?」
「ソアラ……。ねえ、さっきの——」
「起きたか。起きたんだな。じゃあ早速準備だ」

 突然のことに思わず放心。
 壊れた扉の向こうから来たのは、真っ白な長髪で左目が隠れている背の高い人だった。

「えっと、誰ですか?」
「ルピナス。お前の脳内のは仮の姿って考えてくれたら嬉しい」
「ルピ……えぇ!? 何それ! なんでえぇ!?」
「落ち着いてよリンネ。ちなみに僕はルピナスさんから話聞いたから大丈夫だよ」

 僕の頭の整理等々に約一分三十秒。
 その後の二人の話によると、アルバは結局消えていて、そこにはヘアピンが一本落ちてるだけだった。で、おかげでルピナスが僕の脳内から具現化してその反動的なもので倒れた僕をルピナスが担いでここに連れて来た、と。
 とりあえず夢じゃなかった。ナチュラルに夢じゃなかった。

「で、まあリンネの記憶を今から辿る必要があるわけで。いや、私覚えてるけど」
「なんでリンネの記憶を辿るの?」
「昔の話が役に立つことって多いだろ? 念のためだよ」
「ふうん……。僕がここに来る前だよね?」
「当たり前だろ、私はお前が生まれた時からリンネのこと知ってるんだからな。徹底的に教えてやるよ」
「怖いよそれ」

 とうとう僕の昔のことが分かるんだ。

「ちょっと過激な部分もあるかも知れない。一応三人で行くつもりだから」
「え、行く?」
「話で分かるかよ。行くぞ過去に」

 ルピナスがそう言ったと同時に左目を隠している髪がふわっと上がる。

「よし、ここだ。ちなみに私達は今の人達には見えないからな。過去を変えるのは不可能と言うわけだ。リンネに一部の記憶を埋め込んだものの————後で分かる、か」
「う、うん……」
「ルピナスさん、この世界は今いつ?」
「今日がリンネの誕生日。うまれた日だ」

 説明はなんとなく分かったけど、少し恥ずかしい。
 それと、魔法を使った時のルピナス。少しかっこいい気がした。一瞬見えた目が少し違和感があった気がするけど。

「ここは病院。今リンネは腹の中な? 勿論私はこの時点でリンネの脳内にはいない」
「じゃあどこ?」
「そこ」

 ルピナスはそう言って地面を指差した。

「地面にいるの?」
「もう地面は出てるけど。今虚空使ってここに向かってると思う」
「虚空!? 近付くなって校長が言ってたところ!?」
「正解。こっちとあっちは虚空で繋がってるんだ。生身で通る時には代償が必要とか本で見た気がする。」

 じゃあ、サムラ国の歴史とかに載ってるのかな……。

「——うまれた」
「えぇ!?」

 僕とソアラの声がハモる。
 直後、目の前の扉の上にある明かりが消えた。
 ってことは今、僕がお母さんのお腹から……?