二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re:番外編 ( No.17 )
- 日時: 2013/04/21 00:41
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
- 参照: 仕方ない。やってみるか!!
「————お兄ちゃんの馬鹿あぁあぁあぁぁ!!」
「ちょっ!! 待てよあや——」
お兄ちゃんの言葉を無視して唯走った。泣きながら走ったから、目の前がよく見えない。
気が付くと、空は少しずつ青が濃くなっていた。
「もう疲れたよぉ……!!」
私はそう言って、木の下で泣きじゃくった。お兄ちゃんはいつも私の写真ばっかり撮る。やめてって言ってもずっとするから、もう嫌になってここに来た。
私がしばらくそこにいたら、薄紫色の袋みたいな形で黄色い口と目の付いたものが見えた。ソレは私に気付いてこっちに来た。ケラケラと笑いながら。
怖い。私、このまま死ぬのかな、と思った。
「うわあっ!!」
そう聞こえたと同時にソレは固まった。周りには水色の四角いものが付いていた。
「何なんだ……。そういやここ、近くに幽霊屋敷在ったっけ。」
「え……? なんで固まってるの?」
私が声を出すと、その人はさっきのとは逆の濃い紫色の髪をブンッと向こうに向けて、私に顔を向けた。
「で、あなたは大丈夫だった?」
「へぁ……う、うん。」
「そりゃあ良かった。もう夜遅いのに何してるの?」
「お兄ちゃんと喧嘩したから。」
「良いなぁ。俺なんか兄妹いないし喧嘩出来ないのに。」
「喧嘩したいの?」
この人はよく分からない。なんで喧嘩が良いんだろう。
「そう言う訳じゃないんだけど、喧嘩出来る相手がいるって良いな、って思って。」
「ふぅん……。」
「まあ、仲直りはした方が良いな。何があった。」
「お兄ちゃんにずっと写真撮られるからもうイヤなの!!」
「お、おう……。じゃあそのお兄ちゃんとやらに対抗する力を身につけとけば?」
な、なるほど……。やられるのが嫌ならやられないようにすれば良いんだ。
「じゃあ教えて?」
「は?」
「対抗法教えて?」
「えー……。とりあえず蹴れ。そこからだ全部!!」
「け、蹴るの!? まあ、確かに……ね。」
「後はお前が考えたら良いと思う。じゃあな!!」
そう言って、その人はどこかに行こうとした。
「ねぇ、名前は?」
私が聞くと、その人は
「アルバ・リング、だよ? じゃあ、また会えたらね!!」
そう言いながらアルバ・リングって言った人は走って行った。
私は家に帰って、お兄ちゃんに蹴りをかました。
「可愛い可愛い!! 家出したあやかちゃんも蹴りかますあやかちゃんも可愛いよっ!!」
「うわあああぁぁぁあぁあぁあぁ!!」
私のお兄ちゃんは蹴られてなお、私の写真を撮っていました。
「アルバ・リング、か……。クススっ……。」
「あ……あやかちゃん? まさか、アルバ・リングってあのアルバか?」
「アルバ様がどうかしたの?」
「喧嘩強いのに病弱ってことで有名なあのアルバか。ソイツがどうした?」
「この前、助けてくれたんだ。アルバ様大好きっ!!」
「なっ……!! おのれアルバめ……!! オレの可愛い可愛い妹を誑かすとは……!!」
お兄ちゃんがよく分からないことを言っている間に、良い事が起こるような予感がした。
「ほう、お前があの子の『お兄ちゃん』か……。」
「アルバ様っ!!」
「やあ、一応仲直りは出来たみたいだね。良かった良かった。」
そう言いながらアルバ様はお兄ちゃんの首を絞める。
「痛いですやめて下さい。」
「ふぅん……。じゃあ……、楽にしてあげるよ!!」
「ぎゃああぁぁあぁあぁぁあぁぁ!!」
私はお兄ちゃんが失神して倒れると同時にアルバ様に飛びついた。きっと私はアルバ様が好きなんだろうなぁ。