二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re:番外編 ( No.170 )
- 日時: 2013/09/08 14:45
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
「チルベって入院してる弟がいるんだってね……。親もいないって聞いたよ。なんかあったらすぐに言ってね?」
不意に話しかけてきたクラスメイト。
こう言う優しい感じのヤツは、三十人に最低一人はいる。
「ありがとう。大丈夫だと思うよ。……多分」
「うん。オレはお前の友達だからさ! なんでも相談してよ」
「……ありがと」
俺はそう言って、二コッと笑った。勿論苦笑い。
俺の中では優しい感じのヤツがこの人——ラスカル。
優しい感じの人がいる。つまり、逆の人もいる。
「あ゛ぁん!? 意味分かんねェわ、病弱で学校にも通わず入院? サボりかよ」
こう言う人もいる。
「まあ、心臓病だからさ。外に出ただけでも危険なんだ……」
「へー。ま、し——」
「そうだよっ!! チルベもその弟のアルバ君も大変なんだよ!? サボりとか言うなよな!?」
来た。感情的キャラ。
悪い感じのヤツ——テンデル? ソイツがなんか言おうとしてたんだけど、嘘の様に遮ったよね。
「いや、別に大丈夫だから……」
俺がそう言ったとほぼ同時にチャイムが鳴った。下校チャイム。
「じゃあ、ボクもう帰るから。また明日!」
チャイムが鳴り終わると同時に俺は教室を出た。
「アルバー?」
「げほっ……。兄さん、今日は早いね」
「今日は早めに終わったからね」
「そうなんだ……」
アルバはそう言ってから地面に足を置いた。ベットに座る体勢で俺とアルバは話をする。
今日は、下校する直前にあった会話にしようかな。
「じゃあ、今日学校であった話するね」
「兄さんがその話するのって、久しぶりだな……!!」
アルバがそう言って目を輝かせた。
「そうだね。これと言って凄いことなかったからさ」
「そんなことないよ! 俺にとってはケンカでも凄いことなんだから!!」
「……ごめん」
「なんで謝るんだよ。兄さんは悪くないのに……」
「まあ、その通りだね。じゃあ、話して良い?」
「どーぞ!」
たしかに、アルバの言う通りだ。喧嘩も一人じゃ出来ない。そう考えると、アルバは俺よりも多くのことを知ってる気がする。
さっきの話は全部正直に言うことにした。ラスカルと言う男子の言葉。ソイツに対しての気持ち。逆のヤツのこと。結果的に俺がどう思ったか。
「んー……。俺は単刀直入に訊くべきだと思うけどな……」
「ボクにそんな勇気あるわけないでしょ……?」
「あ、そうかー。じゃあ本性表すまで待っとくしか思い浮かばないなァ」
「そっか……。うん。分かった。ありがとう!」
そう言って俺はニコッと笑う。心から。
すると、扉の外からノックの音が聞こえてきた。ガチャリと音が鳴り、この部屋担当の医者が入って来る。いつもと違って無表情だった。