二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re:番外編 ( No.172 )
日時: 2013/09/12 21:27
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
参照: え、ホモ?


「こっちかも知れないっ!!」

 しばらく病院の周囲を探した後にラスカルが、無理矢理俺の腕を引いて外に出た。
 その後、誰もいない森の中で止まった。

「はあ、やっと時間がデキタよ……」

 そう言いながら不気味に笑うラスカルは、想像以上に不気味だった。
 元々から、ラスカルはなんだか変だとは思っていた。人が困っていると、笑う。所謂「エス」と言うヤツだろう。それに、相談した人は、大抵仲間外れ(いじめ?)に遭う。だからおかしいと思う。
 まあ、そんなヤツに相談を持ち掛けた俺も絶対おかしいけど。

「なんだよ……」

 俺がラスカルを睨みながら言う。

「フふッ……。分カっテるンジャあなィのぉ?」

 ……駄目だこれは。狂ってる。病院行けよ……。つかキモイよ止めろよ。
 ダッシュで逃げるか。いや、無理か。手、がっちり掴まれてる。
 仕方ない。テレポーテーションとか言う魔法で逃げよう。もはやそれ以外ないな……。



「アルバくーんっ!!」
「まだ見つからないのか!?」

 とりあえず、病院前に来た。でも多分、アルバはこの近くにはいないと思う。いない。
 医師がほぼ全出動している。五月蠅い。
 俺、瞬間移動(テレポーテーション?)以外の魔法使えないんだよ……。

「ん、珍しーな。お前が弟ほったらかしてるのは……。何かあったのか?」
「テンデル……だよね? 色々あったんだよ————」

 俺はそう言って、今まであったことを一通り説明した。
 テンデルは、俺の話を聞いた後に

「知ってる。俺はお前の味方だから——」

 そう言って笑い、自分より(五〜六センチ)小さい俺の頭を撫でた。
 これで少し泣きそうになった俺は、泣虫なのかな。

「ね、ねえ……。じゃあ、ラスカルはどうしたら——」
「んー? 今オレのこと、呼んだ?」

 声が聞こえた瞬間、テンデルが俺を自分の後ろに隠す。小声で

「逃げろ」

と言われる。

「危ないんじゃないの……?」
「それどころじゃねェだろ。医師共には誤魔化しとくから行け。戻って来るなよ……!?」

 テンデルが俺のことを守る様な体勢になって言う。

「ありがとう」

 そう言って、俺は心から笑った。
 同時に目の前の風景が変わったから、テンデルにその言葉と俺の笑みが見えたは分からない。
 結局、ラスカルの本性も、テンデルの本心も、全く分からなかったな……。

 ——ありがとう——

 最後の言葉にしては、在り来たり過ぎたかな。
 ……うん。まあ良いや。
 ここはどこだろう。砂の山ばかりだし、砂漠かな……? 大分遠くまで来たかも。


 さて、アルバを探しに行かないと。
 多分だけど、けっこう遠くにいると思うんだ。アルバのことだし。
 とりあえず、砂漠を出てから魔法の修行しないと。うん。そうしよう。人探しの魔法とか使えるようになるかもしれないし!
 “ボク”は砂漠を歩き始めた。