二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re:第九十一話 ( No.175 )
- 日時: 2013/09/14 15:12
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
「まだかな」
「まだっぽいよ。遅いね」
約三十分。僕とソアラはベンチに座って地獄絵図(ルピナス達に集まって来る老人)を眺めている。
「いやあ、あれは凄い」
「ん? アミスタさん、どこから湧いてきたんですか?」
「俺は湧かないよ? あそこからやっと脱出したんだよ? シアンを置いて」
鬼だ。
「そう言えば、説明忘れてたんだけどね。ルピナスも俺も、死期が近い人にしか見えないんだよ」
「え!?」
「ほら、その辺の餓鬼とかは全然気にしてないでしょ?」
……いや、老人が馬鹿みたいに集まってることには驚いてるけどね。
「なるほど。リンネはもはや人外だから措いといて、僕はもうそろそろ死ぬってことか……」
「あ……、そう言うことになるよね——って待て。人外って何!?」
深刻な内容だった筈なのに、嘘の様に日常茶番に戻る。
いや、でも死ぬかもってことだよね……。でも、その割にはソアラはピンピンしてるし、どこか嬉しそうな感じだった。
「ふうん……。あ、シアン帰って来たよ?」
「え、やっと? ってわあぁ!?」
ルピナスがこっちに直進してきたかと思えば、そのまま僕の腕を掴んで走り出す。
直後にルピナスの説教(教育)タイムが始まった。
今から、アルバがいなくなった建物——ギルドへ行くらしい。あと、僕の持ち物(刀)についての説明。と、刀の使い方? 老人がギルドの様子が変とか言ってた、って言う話も最初の方に言ってたな。で、アミスタさんの意味不明な魔法があるから後で来るって言ってた気がする。
その話をしている間に、例の建物前に来た。
アミスタさんとソアラが来るのを待ってから、作戦? みたいなのを考えて、建物の中に入った。
「見ない間に古びたね。ここ」
「そうだな」
「しかも久しぶりに見たからだと思うけど、けっこう大きい」
「そうだな。多分タナトスは頂上にいるだろうな」
「うん。頂上から不気味なオーラが出てたしね」
二人の話を聞きながら扉を開けて入ると、僕達四人が入った瞬間、勝手に扉が閉まった。
「これで出られないな」
「うん。二人とも、もう戻れないよ?」
「言い方が怖いですアミスタさん。大丈夫です。刀は準備してます」
「こ、こっちも死ぬ覚悟は出来てますよっ!?」
「ソアラ、死ぬ前提で考えないで……」
さて、もう戻れません。
アルバは今、大丈夫かな。……大丈夫だよね。それに、ルピナスとアミスタさんみたいな感じで行ったら、僕は死ぬけど、アルバは生きてる。
——大丈夫。
「ここから先。色々いるよ。準備出来てる?」
二階へ続く階段の前で、アミスタさんが僕達に訊く。
「……大丈夫です」