二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re:番外編 ( No.177 )
- 日時: 2013/09/16 00:44
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
ショッピングモール。人の流れに巻き込まれるのを全力で避けているのが俺——アルバ・リング。
いや、左側通行とか言うモノが存在する(らしい)んだから守れよ。俺もうすぐ柵から落下するぞ。
と言っても、こんな場所に用はない。友達の白鳥青嵐にショッピングモールの屋上来いって言われただけ。今日は休みだから家で寝ていたかったのに、白鳥の誘いには(基本)従わないと後が怖い。結論から言えば、行くしかないと言うこと。俺、弱いな……。
「来たぞー……」
人気の少ない屋上で面倒臭そうに言う。
呼び出した本人は何故か胡坐を掻いて寝ていた。
一瞬帰ろうと思ったが、来なかったと言う風に扱われたら色々とお終いだ。俺は、買ったばかりの運動靴で白鳥の後頭部を蹴る。
白鳥はそれで目を覚まし、俺に向き直って言う。
「よし! 明日決闘な!?」
「……まだ起きてない、か」
「起きてるからな!? まず寝てない!!」
「さっき寝てた。胡坐掻いて寝てたから」
う……ん、決闘は本当のことらしい。嫌だな。
「絶対に来てよね!?」
「……分かった」
……うん。もう良いや、とりあえず早く帰りたいんだけど。
白鳥は下へ続く階段を下りる直前に俺の方を向き、
「——新しい弟子さんも連れて来てね?」
とだけ言った。
今日は心臓よりも頭が痛い。……早く帰って寝よう。
* * *
「ふっふっふ……、遅かったわね!」
次の日。朝六時に電話で叩き起こされ、今に至る。
やけにノリノリな白鳥を余所に、俺は緊張していた。
勿論決闘をすると言う時点で嫌だ。相手が女子と言うのは白鳥だから大丈夫だ。問題は俺の(一応)弟子——リンネ。何故か怯えた様に木の後ろに隠れている。こっちが恐怖を覚えるから止めて欲しい。
「ルールはね、自分の魔法で剣作ってそれで戦いまーす。相手の体に当たったら終了。勿論手加減無用よっ!!」
「あーはいはい。分かったから……。俺は氷使えば何とかなるだろうけど、白鳥はどうするんだよ。火と電気で剣とか出来るのか?」
「バット……だけど?」
「バット!?」
話によると、白鳥のバットは永久不滅らしく、燃えカスになることは絶対にないそうだ。
リンネが木の影からこそっと顔を出した。
「よーい……始めっ!!」
白鳥の声で決闘が始まった。
声と同時に、俺は氷の剣を創り出し、白鳥のバットが燃え始めた。
……あんな燃えてるバットにだけは当たりたくないな。よし……。出来るだけ早めに終わらせよう。
——落ち着いたら出来る、筈……。
俺は、剣を完成させた直後に一度、深呼吸をした。