二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re:番外編 ( No.182 )
- 日時: 2013/09/20 07:53
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
- 参照: これ、リンネ視点の方が良いような気が……
「行くぞ!」
「おー……」
白鳥がいつも以上にやる気だ。
俺としてはなんで決闘なんて物騒なことをすることになったのかが知りたい。知るべきだと思う。
まあ、今訊いた所で白鳥の耳には入らないだろう。完全に燃え始めている。色々と。駄目だ、コイツをなんとかしないと俺の命が危ない……。
それ以前にあの炎を纏ったバットにだけは当たりたくない。それだけは俺の中で明確だった。
「やあっ!!」
いきなり俺の前でバットを振った白鳥。とりあえず全力で避ける。
「ちょっと! なんで当たってくれないのよ!!」
「いや……、そのバットにだけは……ね」
「なるほど。今宣言したわね? 勝つって」
そう来るとは思わなかった。裏を返せばそうかもしれないけれど、何故そうなった?
あー、でも弟子(一応)がいるし、降参とか絶対に出来ない。うん。戦うしかないのか? 分かった。とりあえず最近(適当に魔法合成してたらなんか)出来るようになった魔法を使って——
「ん? ちょっと待て、何かいる」
「何かって、何よ」
「知らん……。囲まれてるのはなんとなく分かる。——リンネ!」
振り向くとリンネが殺気立っているのが分かった。色んな意味で怖いことになってる。
リンネの回りだけ木等の物質が氷結している。そう言えばあの技だけ(護身術として)教えてたっけ……。でも、その氷った物の中によく分からない物体があった。
「リンネ、それなんだ?」
「そ、それ……? それってどれ? 氷?」
「合ってるけど違う!! 氷の中のその真っ黒な物体!!」
「えっと……え? あ、さっきのか……。なんだろ、犬みたい……ってそっち沢山来てるよ!?」
一瞬リンネが落ち着いたものの、俺と白鳥の近くにいたヤツ(犬?)が飛びかかって来た瞬間にギャーギャーと騒ぎ出した。
まあ……飛びかかって来たのはどうすれば良い? 魔法? 魔法だよな?
……よし、あの魔法使おう。
「グギャアァアァアアアァ——」
犬ってこんな声だったか? 良いけど。
凍りつくと言うか粉々になる犬はある意味グロテスクと言って良いだろう。俺達の周りに真っ青な血が降って来た。
「わあああぁぁああぁぁあぁあ!!!! やだぁあああぁあぁぁああぁぁあぁ!!!!」
リンネが後ろで大声を上げる。何を言っているんだ。
俺は白鳥に向き直り、硬直した白鳥に剣をポンと当ててから
「俺の勝ちな。じゃあ」
と言ってから帰る。
後ろから白鳥が
「あ、あたしまだ負けてないからー! 次は勝ってやるうぅー!!」
とかなんか自分の負けを肯定している台詞を吐いていた。
リンネのことを引っ張って帰っている俺には別に、関係ない様な気もしたけど、一応手を振って帰った。
帰り際に、リンネが地味に笑みを浮かべていたのは、気のせいだと思いたい。