二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re:第九十二話 ( No.183 )
日時: 2013/09/21 00:25
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)


「よし、じゃあ行こうか」
「はい」

 二階に上がったと同時に犬が襲って来た。見覚えのある犬。

「——しつこいな、コイツ等。行くぞ」

 ルピナスが一掃。流石。
 でも、牙が凄い。噛まれたら死ぬ確率があるかも(野犬っぽいし)……。注意しとかないと。

「走って良い?」
「ルピナスって走るの好きだよね……。僕は良いよ? さっきの犬とかには気を付けるけど」
「おー、シ……ルピナスは昔から変わらないね。走るの大好きだったよね」
「五月蠅い……。やっぱり走るの止める」
「えーっ!? 走ろうよ!!」

 あ、このパターン昔の痴話開始だ。

「ソアラ、どうする?」
「うーん……。この建物って何階くらいあった?」
「五階はあった。それは覚えてる」
「……走った方が良い気がする」
「だよね」

 二十歳前後の大人の会話は大して面白くないから、それを遮って

「走った方が良いかもってさ」

と二人に言う。
 ルピナスの目が若干輝いたのが分かった。こう……キラッと?

「行くぞっ!!」

 ほら、ハイテンション。
 なんだろうこの人。よく分かんない。

「……ルピナスはね、あれでもけっこう子供なところあるんだよ? 十代だし」
「はぁ!?」

 二回目に会った時にあの人確実に「丁度二十歳」って言ってたよね?

「えっとね……死んだのは十二歳かな?」
「じゅ、十二歳!?」

「これは……あの……その……、アルバと同年齢ってことですか?」
「ま、そうなるね」

 アミスタさんがそう言いながら右手でブイサインを見せる。
 こう君みたいな感じで背が高い人だったのかな。そんなの、知った話じゃないけど。

「まあ、君が言ってるこう君はちょっと……ね。ルピナスは特殊だから」
「特殊?」
「こう君って言うのは遺伝とか環境の問題だと思うけど、ルピナスはあれだよ。とある魔法」
「とある魔法? 何それ」
「うん、ある意味呪いって言っても良いね」

 足の遅いソアラを何故かルピナスが抱えているのは軽く流して、僕とアミスタさんは話を進めていた。僕はもう走ってたりしたらアルバの所についても酸欠で何もしないままで倒れそうだから箒。アルバの家で借りて来ました。

「ほら、三階の階段発見! 行くよ!」
「あ、はいっ!」

 僕はそう言いながら箒にブレーキを掛けて、斜め上に向きを変えた。

「ねえ、ルピナス……。降ろして」
「あ、そうだったな」

 青嵐がちょっと興奮しそうだな……。なんか興奮しそう。アルバの話を聞いてる限りでは。

「三階行くぞ!!」

 ルピナスが相変わらずのよく分からないテンションで言ったのが聞こえた。