二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re:番外編(続き) ( No.189 )
- 日時: 2013/09/26 07:20
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
番外編です。by紅雪
と言っても、紅雪のこの後どうなったか的な妄想なので見なくて良いです……。
誰得とか言うヤツでしょうか。
勿論リンネ視点です。
——————
あの後僕らが同時に赤面したのは言うまでもない。アミスタさんが爆笑したから無言で氷の棺を作ってあげた。ルピナスがその氷を蹴りながら「馬鹿じゃねェの」と言っていた。
「お、俺————……うん……」
僕とアルバがまた、同時に赤面——顔を背けた。
「と、とりあえず……帰ろうか」
「……そうだな。っと待て。お前の衝撃的発言で全部飛んで言ったんだが、後ろのアイツ等はなんだ?」
僕もそこでルピナスとアミスタさんのことを思い出す。
だいたいのことを説明したら(途中でアミスタさんが復活)、アルバはアミスタさんへ向かって
「黒いフードの人!!」
と、幼稚な台詞を吐いた。
言われて見れば、あの時宙が「黒い人」的な発言をしていたきがしないでもない。いや、宙は大丈夫か? 死なない? ソアラみたいに?
「あーはい。黒いフードの人です。で、宙とか言う空気読めないクソ餓鬼のことなんだけど、アイツは大丈夫。俺のこと見えるのは死期が近い人もだけど、馬鹿もだから」
「馬鹿!?」
否定はしない。
当たり前だ。アイツは確かに宿題全然しないしついには宿題僕とソアラに手伝わせたことあるし、紛れもなく馬鹿だ。
うん。安定の馬鹿。
「——ねえ、はじまりとおわりのとびら、行って良い?」
「アミスタさん、大丈夫? 僕は別に良いけど」
僕らはアミスタさんの意味不明な提案により、はじまりとおわりのとびらへ行くことになった。
で、着いたわけで……。
「アミスタさん。ごめんなさい、ちょっと黙っててくれたら嬉しいです」
僕はそう言いながらアミスタさんを再び凍らせた。
「ソアラっ!!」
そう、ソアラははじまりとおわりのとびら前に倒れていた。
「ねえ、ルピナス。これってどう言うこと……?」
「昔はソアラポジションの人がいたんだ」
「はぁ?」
「ヒュプノスはいない」
「う、うん……?」
ルピナスは短い文章に区切って説明を開始した。
「ちょっと待って、ソアラポジションって何?」
「ソアラみたいな感じの人。そいつは死んだ」
「あ……なるほど……」
「そう。ヒュプノスが助けてくれたってことになる」
この時僕は久しぶりに、ヒュプノスさんのことを神様だと認識した。
「ん……!? リンネ!? ルピナスと……アルバだああぁあぁ!!!」
起きて早々、アルバに飛び付く。なんだろうこの子、和む。
すぐにアルバの悲鳴と階段から転げ落ちる音が聞こえて来たけど、この際無視だ。無視。なんとかの神に祟りなしとか言うし……。
いや、タナトスって神だよね?
「……私とアミスタはここから帰るんだ」
「えぇ!? はじまりとおわりのとびらで冥界の!?」
「そう。タナトスがいても結果的に私達は死人だからな」
「お、俺まだ死人じゃないよ!?」
「じゃあ死んでもらう」
ルピナスが何故か真っ赤な薔薇をを構えて言う。アミスタさんが満面の笑みで「お断りします」と言った。ルピナスが「残念だ」と言いながら薔薇を服にしまう。
いや、今の薔薇は何?
学生寮の下の階から音が聞こえて来た。階段を上ってこっちに来る。アルバの足音じゃない。ソアラでもないし……
「リンネ君、その方達は……」
「校長っ!」
校長が来た瞬間、僕ではなくアミスタさんが一番に反応した。
「アミスタ君っ!?」
「あ……。なんだ校長か」
「え、校長先生! この二人のこと知ってるんですか!?」
「知ってるも何も。友達ですから」
僕はビックリするよりも先に笑いが込み上げて来た。
アルバとソアラが上がって来た時に僕が大爆笑してたら驚くだろうな……。
- Re:番外編(続き) ( No.190 )
- 日時: 2013/09/28 11:20
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
三人の関係は友達。凄い関係……。ルピナスは僕の頭の中で、アミスタはお得意の魔法で、校長を知ったとか。
うーん。よく分かんない。
「とりあえず帰るか」
「もう行くんですか?」
「だって、タナトスは倒したし、ギルドぶっ壊れたし」
ルピナスがブツブツと言い始める。
まあ、帰るなら早く帰れ。バイバイ。冥界に行ってらっしゃい。じゃあね、あの世でもお元気で。お幸せに。
「じゃあね!」
「だな、またいつか会えたら」
「えぇー……。まあ、ルピナスのツンの部分がなかったら大歓迎だね」
「ツンとか言うなよ馬鹿」
僕とルピナスがキャッキャと話をしていると、アミスタさんが
「シアンと一緒なら俺もあの世に行って良いよ!」
と言う。
直後にアミスタさんはルピナスに思い切り殴られた。
当たり前だ。呼ばれたくない呼び方「シアン」にまさかのまだ諦めてなかった事件が同時に発生したと言うことだ。
僕もルピナスの立場なら死ねとか言いながら殴り飛ばすと思う。
「あ、そう言えばリンネ」
「ん?」
「お前、その傷痛くないのか?」
「あ、それ言わないで痛くなるから……」
僕、さっき熊的な生物に刀でグサグサやられたっけ。言い方は可愛いかもしれないけどそれなりに痛い。思い出したら痛い。せっかく忘れかけてたのに……。
ルピナスがさっきの薔薇を取り出し、棘で髪の毛をザックリ切った。僕の髪の毛も肩位までバッサリ。
ルピナスは自分の髪を渡して
「この前使った魔法で怪我を直したら良い。こっちは……ヒュプノスに渡して来る」
と言った。
この前使った魔法、この前アルバが小さくなった時に使った魔法だと思う。
ヒュプノスはあれだよね。ソアラ生き返らせてやったんだからって言うの。あ、タナトスやっつけるの手伝ったんだからとかかな。
「分かった。ありがとう」
「——じゃあ、またな」
くそ、面倒臭いな大人って。喋り方とか。っていや、子供か。ルピナス(アミスタも?)はまだ未成年だっけ……。
「またねェーっ!!」
僕ははじまりとおわりのとびらに向かって叫ぶ。
結局最後までアルバとソアラ来なかったな。
「あ……そう言えばリンネ。さっきの返事……」
日が沈んで来て、空が薄紫になっている。
——さっきの返事。告白のことだろうか。でも違うことかも。うん、違うことだろう……!
「……やっぱりソアラいるし言わない。今度二人の時に言うから」
「あ、はい。了解です。分かりました」
思わず敬語。
無理しなくても良いって言うべきなのかな。
「……? まあ良いや。じゃあリンネ、気を付けて帰ってね!」
「え、あぁ分かった。またね!」
アルバの家の前で僕は二人と別れる。
……走ろう。
僕は家に帰った後、ルピナスに貰った髪の毛を瓶の中に入れた。
いや、別に実験しようとか考えてない。怖いことは一切考えてないから。
なんて言うのかな……。使うのがもったいないと言うか、使いたくないと言うか。複雑な感情が入り混じった結果がこれなんだよ。瓶の中に髪の毛入れて保管しとくって言う結果に辿り着いたんだよ。
玄関の扉から音がした。ノック。
「はい」
「リンネ君。言い忘れてたことがあったのですが……」
「なんですか?」
「さくら魔法学校との交流がなくなりました」
「……え? さくら魔法学校……あぁ、さくら魔法学校……か。はい」
完全にさくら魔法学校のこと忘れてたよ。だって、色々と大変だったんだもん。さくら魔法学校のこと忘れててこう君のこと覚えてた僕は凄く変だけど。
「で、その代わりに別の学校と交流することになりました」
「えぇ……、またどこかと留学云々ですか?」
「はい。今はまだ決まってませんが。あともう一つあるんです」
「次は何ですか……?」
僕もう眠いんだ。早くしてほし——
「弟子卒業おめでとう。リンネ君に大魔法使いの称号を与えます」
「えぇ!?」
一瞬で眠気が吹っ飛んだ。
大魔法使いよりも「弟子卒業」と言う単語に。
「本当ですか?」
「本当です。他にも何かあった気がするんですが良いでしょう。では、おやすみなさい」
「……はい! ありがとうございます!!」
ハイテンションの僕。
いや、冗談抜きで眠気が……。ヒュプノスさん。僕を眠らせて下さい……!
「大魔法使いか……」
僕はまた無意識に呟いてから、瓶を持って自分の部屋へ向かった。