二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re:第九話 ( No.19 )
日時: 2013/04/21 17:23
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)


「あの、リンネ君。ちょっと良いですか?」
「はい。」

 塔で本を読んでいると、校長が僕を呼んだ。校長は、中の紙の色が青い水色の本でできた階段を上って、少し貴族っぽい机と椅子に座った。

「最近、アルバ君が留学してから、変な感覚になったりしましたか?」

 いきなり意味不明なことを聞いてきた。変な感覚って何? もしかして、誰かの記憶みたいなことかな。でもそうだとしたら、なんで校長がそれを知っているんだろう。

「いえ。ありません。」
「そうですか。それは良かった。しっかり異次元に行けたんですね。」
「あの……。どういうことですか?」
「何でもありませんよ。もう大丈夫です。帰っていいですよ。」
「……はい。」

 何だったの? と言うかアルバが留学してからってどういうことだろう。何かあったのかな……?

「あ、リンネ!! 久しぶり!!」
「宙!! 生きてた!? 死んでない!?」
「いや待て、アルバいなくなって死にかけてんのお前だろ?」
「それはない。ないないないないない。」
「お……、おう。」

 真顔で全力否定すると、宙はちょっと驚いていた。

「そう言えばシュンが呼んでたぞ?」
「そうか、イヤだって言っといて? ついでにアルバに手を出したら排除するって言っといて。」
「俺の扱い酷くない!?」
「関係ない。行け。」
「おいぃ!?」

 僕は宙にある意味誰もが知っている(と思われる)台詞を吐いてから塔を出た。

「あ、あやかちゃん。」
「あ、リンネ。お兄ちゃん見なかった?」
「うん。今日の朝シュン君が来たよ? アルバを求めて。」
「アルバ様をっ!? 信じられない!! そしてお兄ちゃん許さない!!」
「僕も許したくない。いきなり寝室に入ってきたりして……。」
「アルバ様に会いたいなぁ。」
「……会えたら良いね。」

 もうこの際五月雨兄妹とアルバの接触は避けた方が良いんじゃないの? アルバのためにも。
 あやかちゃんはその後町を走りまわっていた。学校の前を通った時に、こう君が学校へ入って行くのが見えた。
 僕も好奇心で尾行することにした。が、すぐにこう君に見つかった。

「うわ、リンネ。」
「うぅ……。……うわ、って何。」
「変なヤツに会ったな。」
「ふざけんな。で、何してるの?」

 一瞬でもう尾行どうでも良いやと思い、単刀直入に思った事を聞いた。

「挨拶。ここで最後だ。」
「つまり、ショッピン——いひゃい!!」
「お前が言うからだっ!!」

 思いっきり頬を抓られる。痛いんですけど!!

「……ロリこう。」
「はぁ!?」

 こう君は今度からロリこうだ!! と言う結論が僕の思考の末に出てきた。

「ろ……ロリこうって……!!」
「早く挨拶してきたら? ロリこう。」
「ロリこうやめろ!! 行ってくるからサッサと帰れ!!」
「はーい!!」

 僕はニヤニヤしながら家に帰って行った。