二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re:第十三話 ( No.25 )
日時: 2013/04/24 19:35
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)


 雑誌が発売された。この雑誌は一度でも買うと週に一回更新されると言う、ある意味厄介な雑誌だった。買ったけど。

「わー……。もう一生あそこで行きたくない。」
「載ってない。良かった。」

 僕の隣で雑誌を見ながらこう君が呟く。誰のおかげと思ってるんだ。君のせいで僕は寝不足だ。

「……まあ、そんなことどうでも良い。さっき変なもの見たんだ。」
「変なもの……? 僕はこう君が一番変だけど。」
「ふざけるな。本当だよ。人魂があったんだ。」
「何それホラーじゃないの!? 怖い!」
「ついて来い。冗談抜きで普通にいたから。遺跡に。」
「遺跡!? あそこ行って僕良いこと一回もないよ!」
「多分恐らくきっと大丈夫だから。」
「何それ怖い!」

 結果、連れて行かれました。ほぼ引きずられるような形で。と言うか僕を連れて行くこと自体が分からない。
 遺跡の前には本当に変なものがいた。

「やっぱりやだよぉ! 僕帰りたいっ!」
「んなこと言ってやんなよ! コイツなんか喋ってるんだから!」
「オバケえぇえぇえぇ!」

 本当に喋ってるっ! 気持ち悪い!
 その数分後、僕はやっと落ち着きを取り戻し、変なものの話を聞いた。

「————だから、ボクを冥界まで連れて行ってくれないかなぁ。」
「……冥界ってなんだ?」
「うん、冥界ってのは要するにあの世だよ。」

 僕が言うと、こう君はポンと手を叩いてから、「なるほど」と言った。君はさくら魔法学校で何を学んでいたんだい?
 話を聞いてる限りだと、この変なものは昔事故で死んだ人魂らしい。親はそのショックで死んだと言っている。凄く愛されてるんだね、この人魂は。

「ある扉を通って来たんですが、どこか忘れたんだ。見たら分かると思うんだけど……。」
「勝手に話進めてらっしゃる。」
「てか扉ってこの町腐るほどあるぞ。」

 たしかにこう君の言うとおり、この町には腐るほどある。一部腐れば良いのにと思うほどある。とくに学生寮の中……ん?

「はじまりとおわりのとびらじゃない!?」
「たしかにあそこは異次元とか普通に行き来すること出来るもんな。冥界とか普通に行けそうだよな。」
「じゃあ、とりあえずテツさんに許可をとらないとこう君は留学期間無視して学校掃除当番しないといけなくなるからね。」
「それは困る。凄く困る。早く帰ってやらなきゃいけないことあるし————。」

 ですよね。やっぱりさくら魔法学校で何かがあったんだ。
 そして今、学生寮でテツさんに僕が説明している。

「この人魂、可哀想なので冥界に返しに行かせて下さい!」
「ダメだ。」
「お願いしますっ!」

 ずっとこの繰り返し。大人って頑固だよねぇ……。と、そこに校長乱入。

「良いではないですか。子供たちの勉強にもなります。」
「でっ、ですが!」
「ありがとうございます!」

 僕とこう君は、人魂を連れてはじまりとおわりのとびらの前に連れてきた。

「あ、これだ! お兄ちゃん、お姉ちゃん! ありがとう。でも、ここからどうすれば良いのか分からないんだ。」
「……仕方ない。行ってみよう。」

 こう君がそう言ってからはじまりとおわりのとびらを開けた。