二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re:番外編(続き) ( No.267 )
日時: 2014/02/16 00:53
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)


「ちょっと待て。アルバ、殴られたいの? この世からバイバイしたいの?」
「言い方怖いやめろ」

 何故かあたしたちがいるのは、学校裏の幽霊屋敷前。

「——で、予定は?」
「うん。ごめん。ちょっと自信なくなって来た。前言撤回、そっちの洞窟にする」

 小声で「この前と同じじゃねェか」と呟いているアルバ。

「アルバカ。ルール言わないとアルバ全力でぶっ飛ばしてからスタートにするよ?」
「やめろ。ルールは……この洞窟の奥に“心臓”って石があるらしいんだ。本の情報だ」
「何それ信用できない」

 リンネに一票。
 心臓。名前がそのままじゃないか。まあ、心臓の件はこの際見逃しておこう。

「先に言うが洞窟の中では箒を使うことは不可能。魔法で相手邪魔するのも無し、な」
「うん。で、それは本当にあるの? アルバは見たの?」
「いや見てない。まあ、あるけど」

「——どっちだよ!!」

 あたしとリンネのツッコミが盛大に被った。
 さっきから言ってることがいろんな意味であやふやすぎる。

「よっしスタート!!」
「おいぃ!?」

 不意にアルバが指を鳴らして走りだした。リンネは思いっきり叫びながらも猛ダッシュ。
 あたしだけ遅れてしまった。

「ちょっ、待ちなさい!」

 その声はもう、二人には聞こえてないのだろう。





「よし! 僕の勝ちだねっ!」

 結局一位はリンネだった。
 と言うのも、途中でアルバが(案の定)倒れた。リンネは一応手当をしたがよく考えたら「これ、自業自得だよね」と思い、放置したらしい。
 ——残酷にも限度があるよ。

「ねっねっ、これすっごい綺麗だよっ? どうする? 白鳥先輩っ!」
「え、あたしに言われても……。それにあたしのことを“白鳥先輩”って言うのはやめてよ。青嵐! 分かった?」
「はぁーい。じゃあ、青嵐、これあげる!」

 そう言ってリンネは“心臓”を差し出した。

「なんかねェ、心臓ってアルバのイメージがあるんだよね。青嵐はさ、アルバのこと好きなんでしょ?」

 ——っ。

「あんたにだけは言われたくない、な」

 あたしは“心臓”を振りはらって洞窟を出た。





「——何言ってるんだあたし!」

 自分の部屋の壁を蹴りながら叫んだ。
 こんなんじゃ、リンネに嫌われるよ。あの子が鈍感なことも知ってたのに……。

「……謝ろう」





「リンネ……。昨日はごめん」
「え、何が? あ、そうだ。石渡し忘れてた。ごめんごめん」

 昨日の石を渡される。
 ——いや、違う。そっちじゃない。

「昨日、変な態度とっちゃったからさ……」
「僕が? あ、アルバの遅刻とか?」

 ???
 どう言うこと? なんでこの子分かんないの!?

 ——なるほど。
 昨日のあたしの態度、リンネは“鈍感”だから酷いことを言ったということが分かってない……。

「いや、分からないなら良いや。じゃ、また明日ね!」