二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re:番外編(続き) ( No.271 )
- 日時: 2014/02/16 14:02
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
「これ、楽しいの?」
「あたしとカミュはけっこう楽しかったけど。あっ、あんな所にジェットコースター! 行こっ!」
「ちょ……」
待てよ。二人揃って遅い俺を置いて行くなよ。
俺はショルダーバッグを開き、薬を口に放り込んでから二人を追いかけた。
「何これ……。さっきのよりも意味不明なんだけど」
「ジェットコースター。体が弱い人は乗らない方が良いな。
白鳥どうする」
「カミュは乗りたい? あたし、乗りたいんだけど」
二人は腕を組んで考え出した。俺はその間に近くにあったベンチに座る。
「オレが残るから、白鳥は行って来い」
「え、良いの? ありがとう! じゃあ後でね!!」
白鳥が走って“ジェットコースター”に向かった。
「なんか……ごめん。乗りたかっただろ、アレ」
「本心を言うとそうだな。……だが、それ以上にオレはな、アルバ」
カミュが俺の隣に座ってから
「眠いんだ」
……は?
「えーっと、それはどう言う……?」
「眠いのだよ。そんな状態であんな高速移動の蛇に乗ったらどうなると思う!? 酔うわ吐くわ髪乱れるわで大変だぞ!?」
すごい勢いで言われたけど、最後の髪が乱れることに関してはノーコメントだ。
「ふぅーん……。俺は体力的な問題でももう無理だ。動けない」
「だろうな」
今俺は、ジーパンとシャツの上にいつものコートと赤いマフラー。で、今まで使ったことのない黒のショルダーバッグを持っている。
着なれないシャツとジーパンに肩に負担のかかるショルダーバッグなんて持ってるから余計体力が削られるんだろう——……
* * *
「起きろアルバ!」
「帰るよーっ」
「……ぁ、うん」
いつの間にか寝ていたらしい。空がもう薄紫に染まっていた。
まだ眠い(と言うか体力回復してない)からか、体が重い。
証拠にさっきまで(ギリギリ)追い付いていた二人に全く追いつけていない。
眠い。そして、疲れた。プラス、重い。——なんだこの三重奏。
そんな状況で俺の目がちゃんと開くはずもなく。ギリギリ少し目を開けてられる程度。
「アルバ? カミュ、アイツちゃんと起きてた?」
「ああ、ほら。来てる来て——!?」
「ん? え……」
「目つむって歩いてるぞ」
うるさい。
極力目が開かない角度で二人を見る。
「開いた!?」
「お前、前見えてるか!? 起きてるか!? 大丈夫なのか?」
「失礼な。俺にそんな能力ないから開かないと見えない。
……ただ、今ものすごく眠いのもあって目が開かなくて……」
「どっち!?」
……薄目。
「カバン、持とうか?」
「うん。ありがとう」
ショルダーバッグを全力で持ち上げて(動きは遅い)、白鳥(声が多分)に渡す。直後
「重っ!! 何これ!? あんた何の修行してんの!?」
「……は?」
それなりに体が軽くなった。
「アルバ、何を持って来たんだ?」
「薬と飲み物と財布、のみ」
「お菓子は!?」
「んなもん用意してられるか」
薬と飲み物が大量に必要な俺の生活にお菓子は存在しない。今のところは。
「修行……か。あの人か?」
「うん。師匠さんが、どうせ持って行くなら運動がてらある文持って行けって」
「スパルタ……」
「とりあえず帰ろうか」
「いや、ごめん。もう無理……」
「ぎゃーっ! せめてバスまで頑張って!!」
「それは無理だろう。スパルタ修行受けてるがアルバはデリケートなんだ」
二人がそんなことを言ってる間に俺は雪の積もった地面に崩れた。
* * *
「いやあ、大変だったね……。まさか本気で倒れるとは思わなかったよ」
「と言うか雪に突っ込んだからな。シモヤケが危険だとオレは思う」
「あー、なるほど。とりあえず校長に言いに行く?」
「それはアルバにとって屈辱だぞ」
「だよね。じゃあ、どうする」
「——天音先輩の所だな」