二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re:番外編 ( No.28 )
- 日時: 2013/04/26 18:58
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
- 参照: 突破したので……。
向こうに人が見えた。僕よりも、アルバよりも大きい、……大人かな。背が高いところ以外は僕と瓜二つの顔をしていた。ただ、ずっと無表情だった。
「お前、誰だ? 霖音と言う名前の人を探しているんだが。」
「僕の名前は霖音です。十六夜 霖音。」
「……ふぅん。————お前が、か。」
「え?」
「いや、なんでもない。私は——……。お前、ここがどこか分かるか?」
たしかに、ここがどこかを僕は知らない。本当にここはどこだろう。彼岸花がいっぱい咲いてる、凄く不思議な場所だけど。
「知らない。ここどこ?」
「お前の夢の中だよ。」
「じゃあ、これって夢なの!?」
僕はおもいっきり叫んだ。
「なわけない。お前の想像力がそんなにあったら私はここに来る意味なんてない。勝手に想像してろ、としか思わない。」
「そ、そうですか……。ここに連れてきてるのはあなた?」
「私は死語の世界、冥界から来たんだ。もう死んでから大分経つがな。」
そんな人が僕に何の用だ……。話によると、ここは夢の中だけどその中でも特別なルートを使っているということが分かった。
「————お前は、身近に私やお前よりも髪の長い男がいないか?」
その人は、そう言った。僕の身近にいて僕やあの人よりも髪の長い男子……。アルバ以外にいない。
「アルバ……。」
「そうか。ソイツはどんなヤツだ?」
「えっと、いつも元気だけど本当は病弱で、僕の師匠で————……。凄く優しい人。」
僕は、アルバがどんな人がを思いつく限り言った。なんでこの人は、そんなことを知りたがるんだろう。冥界とかに何かあったのかな。
「そうか。じゃあ、まだアイツはまだ……。」
「どういうことですか?」
「いや、お前が心配することではない。こちらの話だ。」
な、なんなんだこの人……! 僕と瓜二つなのに性格ほぼ正反対じゃないか。そして何よりも、アルバの話をしたあとに言った「アイツ」って誰のことだろう。
「あの——」
「あぁ、もう時間だ。次会えた時に話の続きはしようか。」
「ちょっと待ってよ!」
「少しだけだけど、君と話せて楽しかったよ——————」
その人は最後に少しだけ笑った後に半透明になって消えた。
* * *
僕が目を開いて最初に見たのはアルバだった。それも僕のことをジロジロ見ながら。
「な……なに?」
「お前途中から魘されてたから。どうしたんだろうって。」
「うぅ……。」
僕に似た人と会ってよく分からない話をしたなんて言ったら、絶対に笑うもん。僕は自分が魘されてたことと、それを見られていたことを全力で恥だと思った。
「……ここって僕の家だよね!」
「寝ぼけてんのかお前。」
「だっ、だって……!」
僕は少し迷ってから、今見たことを全部話した。アルバがどんな人かは言う必要がない——と言うか恥ずかしいから言わなかったけど。最後に、無表情だった人が笑ったと言うとアルバが
「なんで俺の話をしたら妙なことを言ったのに最後は笑うんだ?」
と言った。その後、
「まあ、その時になったら分かるか。」
と、笑いながら言った。
「うん、そうだね。」
もう遅いから、と言ってアルバは帰った。
にしても……。あの夢はなんだったんだろう。おそらくアレは本当のことだ。そうだとしたら、「アイツ」とアルバはどういう関係なんだろう。
まあ、その時になったら分かるよね。