二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re:第十七話 ( No.30 )
日時: 2013/05/18 16:33
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)

 今日はこう君の帰る日で、魔法大会最終日。もはや何日ここにこう君がいたか分からないよ……。

「今日は————、こう君とリンネ君。ルールは相手を気絶させたら勝ちとします。勿論外でして下さい。」
「校長!?」

 校長の言葉に僕とこう君の顔が強張る。気絶ってどういうこと!?
 それに、昨日僕のことを蹴って気絶させた人と勝負できるのか? 僕は。自信の欠片もないんですけど……!

「まあ、魔法を一発当てたら良いとしましょう。また、次は宙君と青嵐君で行きましょう。」

 上から目線だとっ!? ふざけんな! そして次は師弟対決だね……。うん、どうでも良いな。
 僕とこう君は渋々外に出て、即効で静まり返った。

「えー……。」
「とりあえずもう平和にジャンケンで決めようぜ? 校長も魔法を使ってとは言ってないし。」

 何を言っているんだコイツは。魔法大会だぞ? でも、戦ったりしたら確実に罪悪感があるもんね。そう考えたら————。

「分かった。ジャンケンで決めよう!」
「異世界にある叩いて被ってとか言うヤツをしてみたい。ルールはそのままで勝ったら相手を叩く、負けたら叩かれないように頭を押さえるってヤツだ。」
「おー……。」

 なんでそんなに詳しい? なんて聞いたら絶対に変なことになるから黙っておこう。この人のツンが発動するし……。

「————じゃーんけーんぽんっ!」
「——ぃった!」
「——俺の勝ちだな。」

 普通に負けたんだけど! 僕がパーでこう君がチョキ。頭を押さえる間も無く叩かれたんだけど!

「んじゃ知らせて来るから。まともな勝ち方しなかったから今回は……。まだマシな方だなっ!」

 意味分かんねェよ! 昨日は何をしていたんだ……!
 こう君が校舎に入った。で、僕はどうしよう。こう君にあげる記念品でも用意しとくか——————。


                        * * *


「じゃあ、またいつかね。」

 はじまりとおわりのとびら前。僕はこう君に言った。

「あぁ、生きてたらな。」

 アルバが留学した時とと全く同じ台詞をこう君は言った。
 僕は花束に手紙を突っ込んで渡した。花の種類は「ライラック」「クジャクアスター」って言うヤツで、「友情」と言う花言葉があった。

「……じゃあまたな。」
「うん、バイバイ!」

 こう君は、僕の手紙を読んだ後、少しだけ笑ってからはじまりとおわりのとびらに入った。手紙に僕は、
「一週間楽しかった。また会おうね! ありがとう!」
とだけ書いた。
 ……後はアルバが帰るのを待つだけ、だよね。
 こう君とせっかく少しは仲良くなれたのにもうお別れか、と言う気持ちと、早くアルバに会いたい、と言う気持ちがあった。人って複雑な生き物だと僕は思いながらとびらの前にいた。