二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re:第二十話 ( No.40 )
日時: 2013/05/11 16:30
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
参照: なんか最近小説書くのが純粋に楽しくなってきた。


 学生寮の中、はじまりとおわりのとびら前。僕が着いた直後に校長が出てきた。

「あ、校長先生。今日はどうしたんですか?」
「言うまでもなくアルバ君を見に来ました。」

 言い方がなんか変態っぽい、なんて言ったら僕の魂は絶対に冥界へ飛ばされるので言わないでおこう。続けて校長は不気味に笑いながら言う。

「それに……ふふっ。もうすぐ帰って来ると思いますよ。……生きていたら、ですけどね。」

 僕はまた血の気が引く。生きているか、これは難題と言うか一大事と言うか……。
 はじまりとおわりのとびらの上にあるルーレットの様な物が半周して確か「ふしぎ」の意味を表す魔法語が矢印で指された。すると、扉が開き————

「アルバ!?」

 僕は叫ぶ破目に。

「あぁ、久しぶりだね。リンネ……。」
「う……うん。いや、大丈夫?」
「多分。」
「さくら魔法学校で楽しいことがあったのでしょうね。」

 校長が相変わらずの台詞を吐く。アルバはもう今から死ぬんじゃないの!? と、叫びたくなるような顔つきだった。どこが楽しいことなんだか僕はよく分からないんだけど。

「いや、初日は楽しかった。ある意味だけど……。」
「じゃあ良いじゃないですか。それではリンネ君、連れ行ってあげて下さい。」
「へ? あ、はい!」

 僕は何故校長がソレを知っているかを疑問に思ったけど、すぐにアルバを引っ張って行った。


                        * * *


「連れてきたよー……。」

 僕が言うと、その場にいる全員が笑い、

「おかえりっ! アルバ!」

 と、叫んだ。いや待てさっきから気になってたんだけどアルバ友達多くない!? 僕もはや白鳥さんとアルバと宙とコロ君以外知らない人だよ……。

「あと、同時に大切なお知らせがあるんです。」

 櫻さんがニコッと笑いながら言った。すると、白鳥さんがさっきの校長の様に笑い、

「アルバに、だけどね……?」

 と言う。この人のこう言う感じの喋り方を見たことがないだけあって、気色悪い。あやかちゃんが少しだけ嬉しそうにしている。多分アルバが帰って来たこと、と他にも何かがありそうな顔で。

「みんな、早く言ってあげようよ!」

 リアが言うと、

「そうだなっ! じゃあ今から全員で言ってやろうではないか!」

 と、ロスが笑いながら言う。ごめん、やっぱり気色悪い……。結果的に全員で言うことになり、何て言うかをまとめていた。一言言うのにそんなに準備が必要なのか……? ちなみに僕はそんなの知りません。

「いっせぇーのーでっ!」
「今度の学園祭での出し物が、劇になりましたっ!」

 と、叫ぶ。僕とアルバはしばらく呆然としていた。
 僕に至っては学園祭があると言うことも初耳だし、劇するってどういうこと? 聞いてないんだけど!

「ど、どういうことっ!?」
「リンネ落ち着いてよ、今さっき校長がここに来てさ。今度の学園祭で、出し物が全クラス劇になりました、と。」
「はぁっ!? 何それ!」

 さっき、校長が不気味に笑ったのはまさかこのこと……? ってか劇って何するの?

「じゃあなんの劇するの?」

 今まで黙ってたアルバが急に聞いた。うん、僕と同じこと考えてたんだね。

「あぁ、異世界の眠れる森の美女をするらしい。ちなみにチームとかは自由らしい。」

 カミュさんが言う。いや待って、ねむれるもりのびじょって……何?

「リンネちゃんの顔が、ねむれるもりのびじょって何? って感じだから教えてあげるねっ?」

 図星。僕はフェイちゃんに眠れる森の美女について教えてもらった。ついでに今いるメンバーでやろうと言う話に納まったことも。

「あら? リンネさんじゃないの。」
「本当ですねぇ。」

 背後から声。こう言う時って大抵はイヤなことしか起こらないよね。あぁ、今日はイヤなことが立て続けに起こってる気がするんだけど。

「はぁ……。こんにちは、苺ちゃん。」

 僕が言うと、苺ちゃんはしかめっ面でこう言った。

「あなたに呼ばれる筋合いはありませんっ!」

 と。……はぁ!? じゃあ呼ぶな失せろ!
 なんて言ったらやっぱり僕は命が危ないので言わなかった。

「まあまあ、とりあえずお前らも劇のメンバー入るか?」

 アルバが言った。僕はもう何とも言えない顔をしていたと思う。僕が思ったことなんて一つしかない。アルバは何をしていても馬鹿だ、としか。

「まあ、良いですわっ! 参加してあげますわっ!」
「よし決まり。俺はもうこれ以上は何も言わないから安心しろ。」

 アルバが僕に言う。コイツ皆の前に立って瞬間から上機嫌になったな、と思う。今度聞いてみよう……。