二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re:第二十四話 ( No.44 )
日時: 2013/05/12 08:11
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
参照: なんか最近小説書くのが純粋に楽しくなってきた。


「ひょっとして、手違いで届かなかっただけかと思ったのだけれど……。」

 魔女さんの複雑……見方によっては同情する台詞を吐く。ライトが当たり、王女が

「申し訳ありません。にぎやかな場所は苦手、と聞いたので。」

 と言った瞬間、ライトがまた魔女に当たる。魔女が

「えぇ、にぎやかな所は嫌い、大嫌いですわ。でも、無視されるのはもっと大嫌いなのよ。」

 と、カラスを撫でながら即答した。凄い、尋常ではない説得力があるね魔女さんの言葉!
 ちなみに後ろでは

「コロ、女の子の喋り方上手くない?」
「うん、なんか……アイツが女に見えてきた。」

 と言う会話が兄弟で繰り広げられていた。

「やっと生まれたこの国の大切な大切なお姫様。私からも贈り物を差し上げましょう。」

 と言いながら赤ちゃんが入った揺りかごの前に立ち、両手をブンッと横に伸ばした。ストップ! カラス死ぬからやめてあげてよね!

「オーロラ姫! 姫はその美しさと気高さと心で国民から愛され幸せな毎日を送るでしょう。」

 ライトが魔女と揺りかごに当たる。そして魔女の言葉に全員が一瞬、ホッとした——ふりをする。

「十六歳までは!」

 魔女の言葉に全員がハッとなるふりをする。魔女は手を口元に持っていき、

「オーロラ姫は、十六歳の誕生日、糸車の針に指を刺して! 死ぬのだ!」

 そう叫んだ後に

「おーっほほほほほほ!」

 と笑いながら僕とは反対側に退場して行った。皆冷や汗が出ている。
 舞台が明るくなり、青嵐さんの台詞。

「…………ぁ、な、なんて酷いっ!」

 呆然としちゃってたんだろうな。

「オーロラ姫が死んでしまうなんて…………!」
「なんとか魔女の呪いを解く方法はないのか?」

 恐ろしいほど静かなオーロラ姫を抱きかかえ本気で泣きそうになっている王女と、正直どうでも良さそうな王様。ジュネさんが

「まだ、あたしの贈り物が残っています。あたしは魔女の魔法を取り消すことは出来ません、でも内容を変えることは出来ます。」

 と、一息つき

「オーロラ姫は十六歳の誕生日に糸車の針で指を刺してしまいます。でも、死にはしません。眠るだけです。」

 と言う。王様が舌打ちをしたのが分かった。

「オーロラ姫は姫を真に愛し、魔女の力を打ち砕く者の口づけで目を覚ますでしょう!」

 回りくどい内容にしてんじゃねぇよ馬鹿野郎! 刺された後に一日以内に目を覚ますでしょうとかで良いよ普通に!
 そしてここで一部終了。客席から拍手が聞こえてきた。ここで五分休憩で、アルバはこの時間で着替えると言い張ったらしい。

「お……おぉ。」

 僕はいきなりの光景と雰囲気に戸惑う。

「アルバ、大丈夫? て言うか落ち着いて……。」
「いや無理だろそれは! てかガチでカツラとか無理!」
「……髪長いし、梳かせば良いんじゃない?」
「と、梳かす!? ……まあ良いか。」

 アルバが単純で良かった。僕はそれ以外なんとも思えなかった。