二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re:第二十六話 ( No.46 )
日時: 2013/05/12 11:38
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
参照: なんか最近小説書くのが純粋に楽しくなってきた。


「なんてことだ。オーロラ姫が死んでしまった。」

 もはや黒幕のような王様が言う。棒読みで。

「いいえ、王様、王妃様。姫は眠っているだけです。」
「十六年前のあたしの贈り物通り眠っています。あとは、姫を目覚めさせてくれる若者を待ちましょう————。」

 ……うん。もうすぐ僕の番だね。半端じゃなく憂鬱だ。

「それまで国中の者は全て眠りにつかせます。姫が目覚めたその時、同時に目を覚ますように。魔女に邪魔されないように城をイバラで囲みます。」
「必ず、姫を目覚めさせるものは現れます。」

 あぁ、もう僕の番だ。暗くなっている間に僕は舞台の真中に立った。
 そしてこいつ等鬼だ……。魔女にも事情があると僕は思うんだけど?

『そして、月日が経ち……。この国に一人の王子がやってきました。』

 櫻さんが言ったのを合図に僕は

「ここが不思議な城、か?」

 と言った。直後に

『彼は遠い国の王子様。勇気がある王子はイバラに囲まれた不思議な城がある、と言う噂を聞いてここまでやってきました!』

 徐々にテンションを上げていくカミュさん。

「お待ちしておりました。」
「誰だっ!」
「わたしたちは魔法使いです。この城に勇気のある若者がやって来るのを待っていました。」

 知ってるんだけど、ね……。まあ、そんなことを鬼に言ったらリアルに殺られる訳で。
 ふと横を見てみると、アルバが見ていた。一瞬で恥ずかしさとやる気が込み上げてきた。

「この城には美しい姫君が眠っています。」
「このイバラに覆われた城に……?」
「魔女の呪いのせいで眠り続けているのです。」
「……それは、私にお助けすることができるだろうか。」
「あなたが真に姫を助けたいとお考えなら……!」

 僕が私と言うとアルバが笑った。お前を助けに行くためにこんなこと言わなきゃなんねェんだよ!

「さあ、お進み下さい。」
「姫は最上階です。魔女が黙っているとは思えません。」

 なんかよく分かんないけど魔女の扱いが酷過ぎる。姫が最上階って何、いじめ? 姫は僕のことが嫌いなの? 助かりたくないの? 絶対零度でしっかり殺されたいの?

「私には、勇気がある。必ず姫君を助けると約束しよう!」

 僕はそう言った。


                        * * *


「お前が魔女か!?」

 僕が当たり前なことを言うとおそらく追加で出したザコキャラが魔女の周りを取り囲んだ。ひ、卑怯だ!

「みなのもの! やっておしまいっ! おーっほほほほほほ!」

 へ、変質者だあぁあぁ! よ、よし、とりあえずミネウチとか言うのを……剣だから使えないよね。どうせここから先は変なことしか起こらないだろうし。

「やあっ!」

 僕が剣でマジで掛かって行き、何故か一掃。で、案の定剣が壊れる。偽物だもんねしょうがないよ色んな意味で。
 そう言えば僕、魔女の人、コロちゃんと戦うの二回目じゃないか?

「おーっほほほほほほ! とうとう切り札を破壊されたわねぇ。」

 もはや決め台詞と化した笑い声を魔女が言う。もうイヤだなんか気持ち悪い。しかも僕の切り札この役じゃ剣じゃないし勇気だし。

「それはどうかな?」

 僕はそう言って魔女さんにとびかかって行った。