二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re:第二十八話 ( No.48 )
- 日時: 2013/05/14 22:33
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
アルバは歩きで僕は走りだった訳ですぐに追いついた。と、思ったらいきなり僕の腕を掴んでダッシュする。
うん、絶対にラストのことだ。確実に。
アルバは人気がない所に僕を連れてきてから
「さっきの何!?」
と、全力で焦りながら言った。それ以前に体は大丈夫かな、と聞いてみたいけど——
「不慮の事故です! ごめんなさいっ!」
「あぁ……。うん、……まあ良いや!」
「良いんだ!? ……僕はファーストキス奪われてテンション下がってるけどね。」
僕が本音を言うと、アルバが
「女子って皆そんな感じなのか? 俺女っぽいとか言われたことあるけど女心は分からないんだ。」
「僕に聞くな! まあ、アルバに嫌われてないから良いよね。」
はい、まるく収まる。前も同じことがあった気がするのは僕だけ?
「さて、回るだけ回って帰るぞ!」
「うん。」
あぁ、この人なんか変になってるよ。吹っ切れたの? 僕も合わせて吹っ切れた方が良いの……?
屋台を回るのは良いけど再び嫌な予感がバリバリです。いやでも今回はすぐじゃないかな……?
そして今に至る。
「じゃあコレ下さーい!」
「オッケー! お姫様どうぞー。」
「……おう、サンキュー!」
あぁ、アルバは宙と同じくらいに有名人だな。僕の師匠さんはなんか人との繋がりが凄く深い人でした。
「あ、リンネも食う?」
「無理。」
「え、無理ってどう言うこと? 腹イテェの?」
「腹は痛くないんだけど。」
「ふぅん……。」
でも、少し頭が痛い。
「帰ろうか……。」
僕は言った。アルバは苦笑いを浮かべた後に
「そうだな。」
とだけ言った。
僕は自分の靴の方を向きながらアルバの隣を歩いて帰っていた。すると、アルバが急に立ち止まった。僕も反射で動きを止める。
「どうしたの?」
少し上の方を見ると、アルバが少し先にある木を凝視していた。数秒後、
「——何でも……ない。」
と、返事が返って来た。あそこに何かあるのかな。僕の中の嫌な感じも近いし。
そのすぐ後、木の前を通り過ぎようとした時
「——危ないっ!」
そう声が聞こえ、僕はアルバに突き飛ばされた。その後、ガサガサと言う音が僕の耳に聞こえてきた。僕は土の上に尻餅で着地する。
「うぅ……。」
僕は服に付いた土を払いながら気付いた。
——アルバがいない。
「……え?」
思わず呟く。
「誰かに知らせなきゃ!」
僕の体は勝手に宙の家へ向かって全力疾走していた。