二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re:第三十一話 ( No.51 )
日時: 2013/09/01 18:47
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
参照: どうしてこうなった。

 とりあえず建物の周りを探ってみる。さっきの蹴りの意味はなんだろう、僕は全力で思った。無鉄砲だった自分を殴りに行きたい。
 しばらくすると、窓を発見した。少し覗いてみると、中身はやっぱり廃墟のオーラが滲み出ていた。用がある人、アルバを見つけたから良かったけど。
 あそこに行くには窓、小さすぎるよね……。

   ——あぶな……にげろ——

 きょ、今日は頻繁にこの声聞く気がするんだけど……って逃げるの!?
 僕は近くにあった木の後ろに隠れた。すると、直後に髭が目立つおじさんが金棒を持って歩いてきた。

「……? さっきここにガキがいた気がしたんだが……。」

 うっそォ! 気付かれてたの!? 何その変に凄い感覚ふざけるな早々に去れ!
 と、ラッキーなことに去ってくれた。僕の意志ではなく、どこからか真紅の色をした花がおじさんの脳天目がけて一直線に突き刺さったから。
 それこそ怖いけどさ……っ! まあ、邪魔者が去っただけ良いよね。僕はそう思い、これからどうするかを考えた。
 このまま乗り込むのは……、絶対に死ぬよね。窓から……いや小さいしムリだから。

「やっぱり、思った通り迷ってるね。全く無鉄砲なんだから……。」

 いきなりの声に驚き、後ろを振り返ると

「良かった、死んでなくて。僕の恩人だし……、死なれちゃ悲しいもん。」

 ソアラが黒い髪を少し揺らしてニッコリと笑っていた。

「良かったァ……! 僕、やっぱり無鉄砲だよね。どうやって潜入したら良いかな。」
「うん、壁をばれない様に壊せたら良いんだけど……。」
「……壊せる、かも。」

 ソアラの声に僕はひらめいた。あぁ、なんで僕はこんな簡単なことに気付けなかったんだろう。

「それじゃあ話が早いね。付いて来て、確実に壊せる場所があるんだ。」
「うん。」

 小声で僕とソアラは話し合い、僕はソアラについて行った。

   ——いそ……あ…………だ——

 ……聞こえない。人が近くにいたら聞こえないの? 宙の住んでる所は住宅街で人もそこそこいる。この建物の前は建物内以外に人気はなかった。それに、逃げろって言った時は近くにおじさんがいた。今はソアラがいる。
 あれ? じゃあなんでアルバが留学する前は宙とかクラスメイトとかがいる所でも聞こえたんだろう。何か違いあったっけ……。

「ほら、あそこだよ。」

 ソアラが建物の丁度真後ろに当たる所を指差した。

「本当?」
「うん、絶対に……あそこだから。」

 僕は少し躊躇った後に氷を出した。それを慎重に建物に刺してその傷口を開いていった。