二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re:番外編 ( No.56 )
- 日時: 2013/05/19 07:59
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
- 参照: どうしてこうなった。
ここはドコだろう。そうだ、私は死んだんだ。つまりココは死後の世界——冥界、か。
そう考えると少し笑えてくる。同時に、体が震えた。コレが恐怖って言うのだろうか。
「あはは……。」
私は笑った。さあ、何が面白かったんだろう。自分でも分からない。
ただ……、後ろからの視線が凄い。振り返ると小さな男の子とその親と思われる女性、おそらくケルベロス、と呼ばれる者がいた。
「助けてくれてありがとう。でも、やっぱりボクは死んじゃったんだ。エヘヘ、ボクって弱いねぇ。」
男の子がそう言った。たしか、私はこの子を守って……、その後に色々あって私は死んだ。……死んじゃったんだね、君。まあ、人守りつつ死んじゃった私はある意味馬鹿らしい所もあるけど。
「——お前は今から転生する必要がある。お前の宿敵と共になっ!!!」
「いやいや、ちょっと待って下さい! よく分かりませんが宿敵とか待って下さい断固拒否!!」
ケルベロス……の言葉に思わずツッコミを入れる。いや、宿敵と共にってどういうことだ!? 私はアイツと生まれ変わっても会うのか?
「まあ、お前にはどちらにしろ転生してもらう必要がある。アイツは先に行ってしまったがな。」
「……はい。で、どうすれば良いんですか?」
「そこの扉を開ければ良い。あとはただ走れ。全てはそこからだ。」
「は、はぁ……。」
やっぱり良く分からないな。まあ、赤黒い扉を開けて走れば良いならやってみよう。
私は扉を勢い良く開け、その中の暗闇の中へ飛び込んだ。
「うわぁっ!?」
直後の眩い光に思わず目を閉じる。
気が付くと、私は灰色の石畳の道に立っていた。向こうには灰色の建物。雪が降っていた。それ以外はすべて黒一色。
そう、強いて言うなら色が失われた様な所だった。
「とりあえず、あそこへ行ってみよう……。」
そう呟き、私は足を進めた。
建物の前、扉を開き、中へ入る。すると、中には色があり、目の前には太陽の形の顔をしたヤツがいた。
「ここは?」
「きみは、転生者だね? 星のめぐりを見て、きみがここに来ることは知っていたよ。」
「多分……。」
「では、今から転生を開始する。目を閉じて——————……。」
私は言われた通りに目を閉じた。
* * *
そして今、私は私ではなくなっている。正体は霖音と言う人で、まだ十代の子供だ。そして恐ろしいほどに変なヤツだ。おかげで私が自分の記憶をコイツに送る羽目になっている。校長と呼ばれる存在も私に気付いている様で。
で、問題はアイツがどこにいるか、どう対処するか、と言う訳だ。
最近、コイツの夢に行って話をしたんだ。とても私に似ていて本心驚いたが、私はおかげで「アルバ」と言う人に興味を持った。
「——危ないっ!」
外からの声。一瞬私の視界に移ったそれなりにデカいヤツは、アルバを連れて、ロドリオ村方面に向かっていた。このパターンはヤバい。下手すれば色々死人が出るな。
でも私ロドリオ村なんて口に出したことないし、言葉送るのそれなりに疲れる……。なんかロドリオ村ってコイツに知らせれないかなっ!?
「……いない、よね。」
扉を開けて悲しそうに呟く。住宅街、私を殺す気かコイツ。これから何するつもりだよ!!! てか早くロドリオ村気付け馬鹿っ!! いそげアルバが色んな意味で危ない!
霖音が少し考え込みだした。餓鬼(がき)の思考でロドリオ村に辿り付けるかは心配だが、私の声か何かでとりあえずロドリオ村へ急いで行け。
移動して塔へ行く。なんで人に聞かない? 分かってんのかコイツ。霖音は塔の中でしばらく本を片っ端から取って読む。出来るだけ地図帳などを取ってるが、別の本が無駄に多い。
そのうちの一つに、守護霊は守護者に危険を知らせ、その者を守る義務がある、とあった。私に何が何でも霖音を守れ、と言うことか? 守護と言うより居候の方が近い気もするが、気にしない様にしておこう。
さて、私は結果的にやはりコイツを守る羽目になるのか。私は自分が少し楽しみにしている気がした。