二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re:第三十六話 ( No.57 )
日時: 2013/05/19 19:50
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
参照: 厨二病全開☆


 ポストに真っ赤な封筒の手紙が入った。さあ、どうしよう……。
 今日はアルバがあやかちゃんに持って行かれちゃったし、宙はどうせ青嵐の説教タイムに付き合わされてる。ソアラに相談は意味がないと思うし。
 ……開けてみよう。うん、呪いだったら校長に言えば良いし、普通のだったりしたら失礼だもんね。
 中には
「樹氷魔法学校前に集まって下さい。レカ大陸のサムラ国内を案内します。 十六夜霖音殿」
と、書いてあり、僕は思わずそれを氷の塊にしてしまった。
 でも僕は、行かない理由なんてないし、やることもない。今日は予定なんて決まってないし、普通に考えて行くしかないよね……!
 その時、玄関で物音がして、

「リンネいるー?」

 と、ソアラの声が聞こえた。


                         * * *


「こ、この面子は少し……な。」
「落ち着こうカミュさん。クールキープナウ!」
「クールキープナウ……? 私はいつもこの調子だが。」
「クール保てってことじゃいですか? まあ、人それぞれってことで。」

 僕とソアラとカミュさん、苺ちゃんと薺ちゃんとカペラ君。
 ソアラはさっき、僕と同じ手紙を貰って訪問してきた。で、今このメンバー……。嫌だ! これこそ生理的に受け付けません! 発狂しそう!

[樹氷学校前ー樹氷魔法学校前ー……。停車しますー……。]

「……バスが来たぞ。」
「ここってバス存在したんだ……。」
「久しぶりに乗るわね。」
「さすが、苺ちゃん! わたしは乗ったことないよぉ……。」

 皆が口々に言う。でも、僕が言いたいことは唯一つ。

「ばすって、何……?」

「————はいぃ!?」

 全員に変な目を向けられる。いや、本当に気付いたらレンガ造りの建物の中で校長みたいな人と話が始まっちゃったし、その前の記憶もはじまりとおわりのとびらみたいな所を使った辺りから曖昧だし……。それ以前に本気で「ばす」って何か知らない。

「大勢の人を乗せて走る大型の自動車、って聞いたことがあるよ?」
「自動車……? ふぅん、少し勉強しとこっと。」
「停車したよ! 早く乗ろうよ!!」

 自動車って何だろう。まあ良いや、僕は出来るだけポジティブに考えた。
 ばすの中は席が沢山在って入ってすぐの所に箱から紙が出ていた。

「それを取って入るんだ! てか早く行けよ!」

 カペラが僕を押して退けてから紙を二枚取った。そしてその内一枚を僕に渡す。

「早く座んねェとずっと立つことになるぜ?」
「う、うん……。ありがとう。」

 ちゃんと会話するのが初めてで大分緊張したけど、最後にお礼を言うことが出来た自分を心の中で少し褒める。僕が一番後ろの席に座ると同時に

[バスが出発しますー。次は星の恵み魔法学校ー星の恵み魔法学校ー……。]

 と、聞こえてきた。