二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re:第四十九話 ( No.72 )
日時: 2013/06/01 00:04
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
参照: 駄作&駄文な僕って……。


「——ありますよ?」

 僕は、塔で校長に頼んで本を探している。って言っても校長はあるって言ってるけど……。

「で、ソレはどこにあるんですか?」
「アソコです。」

 そう言って校長が手を団扇代わりにしながら指差したのは、上に浮かんでいる本だった。……本を捕るのか。

「ど、どうやって取るんですか?」
「あの本は生きているので取るのは難しいですが、根性で。」
「無理です!」

 校長はやっぱりカスでした。もうちょっと考えて欲しかった……!

「……リンネ君は、虚空を知っていますか?」
「こくう?」

 この人はいきなり何を言い出すんだ……。
 勿論僕は「こくう」と言う言葉を知らない。

「そうです。何もない空間のことを言います。」
「それで……?」
「この世界には、今の時点で——」

 そう言った後、校長は手元の本をパラパラと捲りながら

「六ヶ所最高危険地帯が存在するそうです。」
「えっと、それがどうしたんですか!?」
「……いえ、なんでもありません。唯、警告します。虚空に近づいては行けません。」
「はい……。」

 な、なんだよ! まあ、虚空は何もない空間……ってはじまりとおわりのとびらは別だよね?

「勿論はじまりとおわりのとびらは入りませんよ?」
「良かったァ……。で、あの本は諦めたら良いんですか?」
「そう言うことです。では、もう夜なので私は展望台へ行きますね。……ついて来て下さい。」

 校長は最後にニッコリ笑ってから、本でできた階段を下り、本棚の奥に開けられた様な場所にある階段を上がって行った。
 僕は、その後ろを言われたとおりついて行った。

「どれだけ忙しい時であろうと、立ち止まって星を見て下さい。」

 さっきの太陽の頭じゃなくて、三日月の形の頭をした校長が言う。

「今日は……、関係星がありますね。これから、少しずつでも星を見る時間をつくって下さいね? 気を付けて帰って下さい。」
「はい!」

 なんかよく分かんないけど、多分良い話だったんだと思う……!
 僕は塔を出た後に、空をチラッと見てから家に帰った。

「——明日こそは良いことがありますように。」

 今でも、それなりに楽しんでるけどね……?