二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re:番外編 ( No.75 )
- 日時: 2013/06/01 20:13
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
- 参照: 駄作&駄文な僕って……。
今日は転校生が来た。
名前は……、十六夜霖音だっけ? そんな名前。
声とか顔は大分元気そうだったけど、雰囲気かな? なんかちょっと元気なさそうだったって言うか……不思議な感じ?
放課後も、誰も霖音って人に近寄らない。って言うか霖音ってのも近寄って行かないし当たり前?
「ねえねえキミィ! オレと遊ばねェ? オレ、ナトって言うんだ。」
霖音に声をかけるヤツ。所謂、軟派だ。しかも恐ろしい程にシツコイタイプのヤツ。
コレを断るのは、凄い勇気が必要だと言う噂がある。まあ、俺は軟派なんてしたこともないしされたこともないけど。
「いやだ。」
霖音は無表情でそう答えると、ナトの腹に蹴りを入れた。
勿論、ナトはソレ位で撤退するヤツじゃない。
「一生後悔するぜ? 良い所知ってるんだからな!」
「……。」
霖音はそんなモノに全く興味を示さない様な顔だった。
直後にナトは消え、代わりに教室の扉側でドン、と言うデカい音がする。
「退いて下さい。死にたくないなら……。」
霖音は捨て台詞にそう言った。俺が思ったことは唯一つ。
「かっこいい……!」
だった。
霖音は女なのに、かっこいいとか思った自分が情けない。でも、俺は声に出していたみたいで、霖音に思いっきり呆れた顔をされた。
* * *
俺はとうとう尾行してしまった。勿論、霖音を。
何故か森の奥に来ている。
「はぁ……。何だよさっきの、気色悪い。」
そう呟きながら、霖音はその場の草に寝転がった。
「で、次はなんだストーカー野郎。」
「いっ!?」
思いっきりバレてた。俺は隠れていた場所から出て、霖音の所へ行った。
「お前、今からどうするつもりなんだ?」
「家ができるまでこの辺で野宿だけど?」
「ってかさっきごめん。」
「何が?」
「かっこいいとか言ってさ。」
「女の子って言われてもピンと来ないんだよね……。」
「俺はストーカーじゃない!」
「本人がストーカーと思ったらその瞬間ソレはストーカーだ。」
「酷い理屈だねソレ!?」
「知るか。」
「つーか、僕ってなんだよお前!」
「僕は僕。自分のことを僕って言っても文句はないでしょ? 癖なんだから。」
しばらくこんな雑談をしていると、日が暮れた。
「もう、帰った方が良いんじゃない?」
「そうだね。————俺達、友達だぞ?」
「は? 友達? ふざけるな。」
せっかく友だちになったと思ったのに……。俺がへこんでると、
「親友、と思ったんだけど。まだ、友達なの?」
と、付け足してきた。
「……あっはは! そうだな! 俺とお前は親友だ!」
「お前って言うの止めてくれる?」
「霖音! 俺のことは宙って呼べよな!」
「分かった。じゃあ、明日ね! 宙!!」
最後に霖音が見せた笑顔は、輝いて見えた。
俺はきっと、霖音と離れ離れになることになっても絶対に、霖音のことを忘れないだろう。