二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re:第四話 ( No.8 )
- 日時: 2013/04/18 20:50
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
- 参照: わあ。
今日最後の授業はドルイドン先生の魔法についての授業——だった筈なのに、校長先生が話をすることになった。
「皆さん、突然ですがお知らせがあります。」
クラス中からザワザワと声が聞こえてきた。校長のお知らせは基本的に重大な事らしい。
「ここ、樹氷魔法学校と、さくら魔法学校で、交流を深めることになりました。留学生を一人ずつ、ここのクラスの二つ上の学級から選ぶことになりました。」
「良かったぁ〜……。」
「お姉ちゃん別の学級だ、ほっとしたよ。」
僕は少し焦った。二つ上の学級はアルバの学年だから。もしかしたら、溜め息の原因はこれなんじゃないのかな、と思った。
「選ばれたのは————アルバ君です。」
宙と目が合った。なんでアルバが選ばれてるんだよ……。
「決まったのは一昨日で、本人にも承知してもらっています。出発は明日になっています。」
アルバが僕に内緒にしてたのは絶対にこれだと僕は確信した。アルバは一昨日からあの調子だったから。
——なぜお前は大切なことを言わないんだ——
二日間連続でこの声を聞いたのは久しぶりだな……。人って、大切なことを言わないものなんだね。
* * *
「リンネ、いるか?」
僕は部屋の奥から出た。
「ただい——ごふっ!! おいっ!?」
僕はそのまま玄関にいるアルバに体当たりした。
「なんでアルバは大切なことを言ってくれなかったの!?」
「何のことだよ!!」
「留学するんでしょ!? 校長から聞いたよ!!」
僕が言うと、アルバは少し黙り込んだ後に
「……迷惑かけたくなかったんだ。大丈夫だよ。一週間くらいで帰ってくるから。」
と言った。
「人の家でご飯食べるヤツが迷惑とか言わないでよ!! 絶対に帰ってきてよね!!」
「俺がいなくて誰がお前の面倒をみる!! じゃあ記念写真でも撮るか!!」
「もちろん!!」
——君にも優しいところあるよ——
さっきと同じだけど、少し違う声が聞こえてきた。本当に、優しいところが誰にでもあるんだね。
「撮るぞー!!」
僕とアルバが笑っている。一枚の紙にソレがくっきり写っていた。