二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re:第五十三話 ( No.80 )
日時: 2013/06/02 16:55
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
参照: 駄作&駄文な僕って……。


「えいっ!」

 宙に居眠りの魔法を掛ける。

「ハァ……、よし……。コレで六人目……!」

 息切れしながら呟く。
 ソレもコレも、皆のせいだ。皆が夢見なくなったとか言ったから……あ、夢見せない様にしてるどっかの馬鹿のせいか……。

「ぶむっぶむっ……痛いっ……!」

 だろうな!
 バクって悪夢を食べる存在でしょ? 約一週間前のナイトメアのほぼ逆で。
 ソイツがなんでフッツーっっの夢喰っちゃってんの!? 馬鹿じゃないの!? って言うことで。
 僕が人を寝かせまくってコイツの腹を壊させている訳です。なんでこんなことしてんだろ僕。なんて罪悪感のある行為だ。

「つっても、お腹の薬とかかめやにしか……。あぁ、かめやか……!」

 あぁ、僕は何を言っちゃってるんだ。
 てかマジで最近精神にダメージが来てる。オオワライタケでも食って思いっきり笑いたい。そんなの僕が食べたら死ぬけど。
 多分恐らくきっと宙が死ぬけどっ!?


                        * * *


 さてと。丁度かめやにお腹の薬残ってて手っ取り早く手に入れちゃったよ?
 まさかこの調子でバク事件は「やまなしおちなしいみなし」になるんじゃ……!?
 薬をバクに渡すと、

「お腹も痛くなくなったし、これで安心して次の町に行けるぶむ。」

 何この喋り方地味に怖い。
 バク君は消えました。あぁ、本当に「やまなしおちなしいみなし」になった。無様なほどに面白くない。てかマジで冗談抜きでオオワライタケ食べたいわ……。
 イヤもうマジで死ぬ。発狂して死ぬ。多分今の僕は大分ゲッソリしてると思う。
 ナイトメア直後に校長の手伝いとか宙の宿題の山とか色々あって僕はまともに修行すら受けてない。気ままとかの勢いを超えて忙しい。

「塔行こ……。」

 僕はそう呟き、立ったまま寝ている宙を放置して、近くにある塔に入った。

「昔々、この世界は無の世界でした。……む、無の世界?」
「そうです。無の世界です。リンネ君は、この学校の昔話が知りたいのですね?」
「いえ、そんなことは——」
「昔のことを知ることは、今と未来を考える上でとても大切なことですね。」
「は、はあ……。」

 まさかの無視。この前も誰かに無視された気がする。

「そもそも、この町と学校を創ったのは、私の遠い遠いご先祖様でした。それ以来、私の家の者が代々校長を務めて着たのです。」
「ほえぇ……。」

 じゃあ、はじまりとおわりの部屋だっけ? そこにいた何かも校長かな……?

「全てはこの世界をより良くする、すぐれた魔法使いを育てるため……。勿論それは、魔法の力が強ければ良いと言うモノではないですぞ?」
「はい……。」

 気が付くと、僕は自分でも驚く位に真剣に聞いていた。

「魔法の力を育てるのは、ヒトの心なのです。どれほど力があっても、心のない人に世の中を良くすることなど、出来ません。」

 たしかに。宙も宿題サボりまくってるけど、退学の話が出たことはないもん。
 心がない人に世の中を任せることは許されない、ってことだよね?

「リンネ君達は、ぜひそのことを忘れず、一生懸命学び——、そして、友達と遊んで心を育てて欲しいのです!」

 こ、校長が良いことを言った!
 こんな感情的で、凄いことを言われたら、僕なら言うことなんて唯一つ。

「はい!」