二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re:第五十四話 ( No.87 )
日時: 2013/06/04 21:47
名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
参照: 駄作&駄文な僕って……。


「カペラー!」
「ん? なんだ?」
「そろそろ、毛を刈ろうか!」

 そう言ってジュネちゃんはニヤリと笑った。
 カペラの髪は、知っての通りモサモサだ。もう一度言う、モサモサだ。そう、モッサモサだ! 夏にそんなモサが近くにいてみなさい。見てて暑くなるわ!

「イヤだ!」
「見てて暑いし。あんた絶対にカミュには似ないから安心して刈りなさい!?」
「そんなの関係なく丸刈りは嫌だ!」
「……は?」

 ジュネちゃんが変な声を出す。絶対に丸刈りはないし。この人が丸刈りとか寒くなる。涼しいくらいで大丈夫だから。

「肩ら辺まで切ろうってことだったんだけど。」
「へ?」
「よしじゃあ刈ろう!」
「ぎゃあああぁあぁあぁぁあぁぁ!?」

 ご愁傷様です。カペラ。

「刈るらしいよ?」
「へぇー! 俺刈ってみたい!」

 聞いたことのない声。
 絶対に刈られるな、カペラ。やっぱりご愁傷様。

「あ、刈ります? 肩より少し下までで。はい、ハサミです。」
「おー、ありがとう! じゃあお構いなく!」

 うわあ、この人本気だ。
 あ、言い忘れてたし完全に記憶から抹消しちゃってたけど、ここは公園。噴水が地味に音をたてる中、この二人は激しく口論をしていた。
 僕は本を読みながらそれをチラチラ見てる、傍観者……?

「よし、刈れた!」
「一々刈るって言うの止めて!? 毛刈りじゃないんだから!」
「え、毛刈りじゃん。モサが……。」
「酷いなお前!?」

 まあ、思いっきり刈ったね。
 言われた通りに肩より若干下でパッツンされたカペラが文句を言っている。
 無様。と言うかさっきの人は何?

「俺は、武藤サトル。隣の女子は黄泉原由美。」
「これからよろしくね? そこでさっきからずっと見てる君も。」

「へ、僕? ……よろしくお願いします。」
「僕かァ。ゲームの世界にいそうな子だな!」

 うわー……。知り合いが増えた。てか、ゲームで例えられても分かんない。

「止めてあげてよ、あの子困ってるじゃん。サトル。」

 うん……。もう良いや。
 さっさと家帰ってアルバに魔法練習叩き込まれとけば良かった。いや、僕が教えられることなんてもうないそうだけど。悲しいんだけど。
 多分この時の僕は、黒く笑っていたと思う。

「あ、お前もしかしてアルバの弟子!?」
「どうしてそうなったの!? それはないよ!」
「……はい。僕はアルバの弟子ですよ?」

 サトルさんにいきなりアルバの弟子と言われ、一瞬ビックリする。由美さんがそれはない、と言うが図星と言うか本当だ。

「……まあ、どうでも良いし特に関係ないから安心してよ。」

 由美さんが苦笑いをしながら言う。
 いや、絶対に何かあるだろ。アルバの知り合いならなおさら……。
 って言うか……。カペラの髪がバッサリと刈られてるのに違和感を覚えるのは僕だけかな……?