二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re:番外編 ( No.90 )
- 日時: 2013/06/06 22:40
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
- 参照: 駄作&駄文な僕って……。
俺は、昔から病弱……持病? まあ、それが原因で病室で生活してきた。ずっと変わらない景色を眺めて。
そんな俺の、人生唯一の楽しみは兄さんの話。学校であったこととか事件を、わざわざ病室に来て話してくれた。一見唯の報告かもしれない。でも、人生ほぼ病室暮らしの愚か者に憧れを抱かせるには充分なモノだった。
俺が小さい頃、両親は既にいなかった。母さんは俺と兄さんを病院に預けて、それから死んだ。
俺は病室にずっといて、魔法学校学校とか幼稚園とか全然行けなかった。兄さんは相変わらずの笑顔だし、楽しいんだろうなと思った。
そんなある日
「————君の命は、もう長くないよ。ごめんね。」
と言う医者。
俺にショックなんていう感情はなかった。寧ろ、嬉しかったと思う。勿論考えたことは唯一つ。
「じゃあ、死ぬ前に楽しんでおかないと……な!」
* * *
「……疲れた。——ってかここどこだよ。」
疲れた、病室からほとんど外出することがない俺が三時間も歩き続けただけ凄いだろう。そして俺は、ここがどこかが分からない。所謂迷子だ。
うわあ、馬鹿だ俺……。てかどういう経路を辿ればこんな石だらけの場所に行けるんだよ!?
「あ、ヤバい……!」
そう呟き、俺は一番デカい石に寝転がった。
「——ん? あぁ、君か。」
不意に聞こえる声。見上げると、黒ずくめの影みたいなヤツが声を掛けてきた。
声からするに……女!?
「は、俺男だし。女じゃねェし。アイツが女だし。」
ブツブツと訳の分からないことを言いだすコイツ。
いや、八歳の餓鬼(がき)の台詞じゃねェけどマジでお前何なの? つか人の考えてること何読み取ってるの?
「まあ良い。問題は君のその体。弱ってるねェ。いや、この調子で行けば明日で逝くね。」
……うん。まあ、医者曰く「長くない」から当たり前だけど。
「今から君に、ある魔法を掛ける。それで君の寿命は延びる。あ、発作とかはいつも通り起こるし下手したらやっぱりあの世逝きだよ?」
ちゃっかり凄いことを言うお……とこ。
いや、誰? てか俺はこの後どうしたら良いんだろう。
「俺は男だし、勿論俺の名前は言わないぜ? お前が次起きた時にはその場所に着いてるよ。安心しな。」
その瞬間俺の記憶は完全に途切れた。
* * *
それから俺は、ここ——樹氷魔法学校——の生徒になった。
あの「自称男」が誰なのかも、あそこがどこなのかも俺には全く分からない。唯、今は
「おい、リンネさっさと練習始めるぞ。」
「わ、分かったから! 準備終わるまで待っててよ!?」
「早くしろよ!」
まあ、充実してる……、と思う。
兄さん——チルベは元気かな。
俺は勝手にここまで来たから、兄さんは心配しているかもしれない。ブラコンだったし。
そして——。今俺が、ここで平凡……、に暮らせているのはあの「自称男」のおかげだと思う。
もう一度、アイツに会えたら俺はお礼をしないと。
「準備できたよー!」
「おー、じゃあとりあえずこのキノコ凍らせろ。」
「い、いきなりなの!?」
「出来たら今日は終了な?」
あと、俺は弟子を取ってそれなりに頑張ってるって。こんなんだけど、頑張ってるから! って、いつか伝えれるかなァ————