二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re:第五十六話 ( No.92 )
- 日時: 2013/06/08 01:15
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
- 参照: 駄作&駄文な僕って……。
『よーい…………』
パァン、と言う音とアルバが僕をおぶって走り出すのはほぼ同時だった。ごめん、めっちゃ恥ずかしい。ぶっちぎりで一位取りやがって目立たせるの止めてよね!
冗談抜きで降ろして欲しいんですけど……。
つかコイツ……
「髪の毛が刺さる。痛いんだけど。」
「我慢しろよ! 俺なんか重いのも——」
「黙れ年下に運ばれるヤツ!」
「……あ、着いた。降りろ。」
言われた通り降りると、目の前には……。
「断崖絶壁……。マジかよ。」
「コレが現実だ。」
後ろから色々着た。
うん、多分この前あった由美さんら辺がいたら当たり前の様にここを登って行くのが目に見えるね。今回は校長の都合でサトル君と一緒に出かけてったけど。
「あ、ヒモ発見。……異様に太い。」
「絶対罠だよね!?」
「だな。氷使って進もう。」
「分かった。」
* * *
「手が……痛いんですけど。」
「当たり前だよ。素手で氷砕くとか馬鹿じゃん。ってかここからどうしたら良いんだろう。」
自業自得で腕を痛めてブツブツ言ってるアルバを放置して、僕は地図を見た。ここからどうするかと言うと……
「飛び下りる!?」
「マジか!」
飛び下りる。そう、落ちろと書いてあるわけだ。
え、常人がやれば死ぬよね。
「あ、そうだ。風船の魔法——」
「アレ、一定時間浮かび上がって叩き落されるから逆効果だよ? アルバ。」
「あ、そっか。……よし、ウォータースライダーだ!」
「アルバってやっぱりどこか馬鹿だよね!?」
僕がそう言ったと同時にアルバが僕の服の端を思いっきり掴み一瞬で創った水方面に飛び込んで行く。いや怖い死ぬからヤバいから——……!
「……いや、なんですかコレ。」
「だってお前……。仕方ねェとしか思えなくて。」
うん、たしかに僕は仕方ないヤツだよ? 仕方ないし馬鹿だよ? 常識外れ野郎ですね。
でも、でもね? ……お姫様抱っことか聞いてない。
「で、次のは……、あぁ今度こそ終わりだ。終わった。」
「何? ……俺にとっては嬉しいけど。」
筏(いかだ)で川を下れと言うのだ! ついでに滝から落ちて自力で川から上がってこいと言う。
過酷過ぎるでしょ!? 何、計画した人僕ら殺す気でいるよね?
「あ、アレか。」
アルバが僕を地面に降ろしてから筏に乗る。僕は躊躇(ためら)いながらもそこに乗った。
嫌過ぎて腹痛くなってきた……。
「進みだしたな。一時間位掛かるらしい。」
「僕の寿命が縮む……。いや、もうマジで一時間とか——」
「あ、一分だっけ。」
「ぎゃあああぁぁぁああぁぁあぁぁぁあぁぁ!!!!!」
今から落ちるであろう筏にしっかりしがみ付いた僕を見てニヤニヤ笑っているアルバを余所に、僕は発狂寸前……否、爆発したと思う。
……筏が約四十五度傾き、そのまま僕は浮遊感を全身に感じることになった。