二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第七話:双子の小悪魔 ( No.19 )
日時: 2013/05/19 06:40
名前: タク ◆9mCc3lFAO6 (ID: 39RfU1Y2)

 溶鉱炉エリア2。主に、工場の自家発電エリア。電気を食らうポケモンが多く生息する。リンクとツタは先を急いでいた。

「まさか、君が女の子なんてさ。」
「失礼だな。僕が男の子に見えるのか?」
「いや・・・。」

 リンクは言葉を濁した。このままだと、彼女を傷つけかねない。すると、ツタが口を開いた。

「やっぱ・・・女の子っぽい方が良いのかな・・・。」
「そ、そんなこと無いよ!!君は君のままで良い!」

 気がつけば、そんなことを言っていた。

「・・・ありがと。そんなことを言ってくれたのは、君が初めてだよ。」

 ツタはにっこり笑った。リンクはその笑顔が可愛く思えてしまう。だが、そのときだった。

「ようやく追いついたぞォ・・・!!」
「今度は援軍を連れてきてるからね!」
「げっ、まだ生きてたのか!?」

 リンクが二匹のしぶとさに、感心する。

「いや、リンク。その言い方はどうかと。」
「”まだ生きてた”だって!?あれくらいで死ぬかこんにゃろー!!」

 マイナンが憤慨する。

「出てこい、お前ら!」
「ピッチュゥ・・・!!」
「パァチィ・・・!!」

 マイナンがそう叫ぶと、ピチューとパチリスが現れる。この周辺、やたらと電気ネズミが多い。

「なるほど、溶鉱炉の電気が、電気ネズミのエネルギー源になっているのか・・・!!」
「それで、この辺は電気ネズミポケモンが多かったんだ!さすが、ツタだな!」
「しかし、この多さは異常だ。これは、群れのリーダーがいる可能性が高い・・・!!」

 ツタが呟くと、マイナンがクスクスと笑い声を上げた。

「そう、僕たちが、その群れのリーダーさ!さっきは挑発に乗って油断したが、なんせ僕らは、双子の小悪魔って呼ばれてるんだから!行け、ピチュー!」

 マイナンが叫ぶと、ピチューがツタに飛びかかってきた。

「ピッチュウ!!」
「しまっ・・・!!油断した!!」

 ツタは、電磁波を食らい、膝をつく。

「おらぁっ!!ツタに何するんだ!!」

 ツタは、ピチューを”電光石火”ではじき飛ばす。

「騎士は、守るべき物のために戦う!!今の俺にとっての守るべき物は、仲間だ!!」
「リンク・・・!」
「パチィ・・・電気タイプのくせに・・・・このっ、裏切り者ォ!!」

 パチリスが、”スパーク”で攻撃してくる。

「”こおりのキバ”ッ!!」

 冷気を帯びたキバで、パチリスに噛みついた。パチリスは悲鳴を上げると、倒れて動かなくなった。

「あ、ありがと・・・リンク・・・。」
「仲間を守るのは当然だからな!立てるか?くれぐれも無茶はするな。君が傷つくと、俺は困るんだよ!!」
「リ、リンク!?ぼ、僕・・・今すっごい恥ずかしいんだけど・・・。」

 ツタは、リンクのセリフで思わず、赤面してしまう。これじゃあ、まるで、リンクが自分の彼氏みたいではないか!すると、怒った野生ポケモン達が襲いかかってくる。電気ネズミポケモンは外見こそ可愛いが、強さはあなどれない。プラスルが、ツタに襲いかかってくる。

「よくもパチリスを!あんた達は、夫婦なかよく倒れるのがお似合いだぁー!!」
「待て、プラスル!むやみに突っ込むな!」

 マイナンが、相方を止めようとしたが・・・。

「誰が、夫婦だぁー!!”グラスミキサー”!!」

 葉っぱの渦が、プラスルを包んで吹き飛ばした。マイナンが、たじつく。

「やっ、やばい・・・!ピチュー、お前はあの方に伝えて来い!やばいのが2匹来てるってさ!」
「ピ、ピチュ!!」

 ピチューは電光石火の早さで奥へ去っていった。ツタがマイナンに話しかけた。プラスルは爆風のダメージもあって、気絶してしまっている。やはり、耐久力はマイナンより低いらしい。

「良いのか?2対1だぞ。」
「関係ない!」

 マイナンが睨み付ける。リンクが進み出た。

「ツタ、お前は手を出すな!俺一人で倒す!」
「で、でも・・・。」

 ツタが声を上げた。

「騎士っつーのはな、いつでもフェアな生き物なんだよ!!”スパーク”!」
「うぉぉ!”スパーク”!」

 互いに”スパーク”を繰り出す。2匹はぶつかり、次の瞬間・・・。

「うっ・・・!!ぐぐ・・・!!」
「がはっ・・・!」

 すれ違う2匹。踏みとどまった方の勝ちだ。そして、次の瞬間・・・。

「うっ・・・!!」

 マイナンは倒れた。すると、気絶していたプラスルが飛び起きて、倒れたマイナンに駆け寄る。

「だ、大丈夫!?マイナン!」
「ぼっ・・・僕は大丈夫だ・・・。ん?」

 リンクも、マイナンに駆け寄っていた。

「どうした・・・。トドメを刺すなら刺せ!」
「刺せないよ・・・。一騎打ちの後は、勝っても負けても相手をたたえる!騎士の掟さ!」
「トドメを・・・刺さないのか?」
「ああ!!」

 マイナンは、上を向いた。

「そういえば・・・久しぶりに楽しいバトルだったなぁ・・・。」
「なあ!俺たち、騎士団なんだ!もし、良いなら、騎士にならないか?」
「い、良いのか!?」
「ああ!お前達なら、十分、騎士として社会貢献できるさ!」

 マイナンは嬉しそうな顔を浮かべた。

「じゃあ、僕たちも騎士になる!ただ、君たちの騎士団に入ることはできないな。」
「え?」

 リンクはきょとんとした顔を浮かべた。

「なぜなら、また君と戦いたい。今度はたった一人のライバルとしてな!」
「マ、マイナン・・・!」
「マイナンがそういうなら、私も!」

 プラスルもマイナンと一緒に騎士になるつもりらしい。リンクは顔を輝かせた。

「ああ、それじゃあ俺たちは先に、溶鉱炉を出ておく。野生の生活にも飽き飽きしていたところだったからな。」
「それじゃあね!」

 と言って、マイナンとプラスルは去っていった。

「さて、先に進むか。」
「うん。」

 先を急ぐ、リンクとツタ。その先には一体!?