二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 第八話:ツタの想いとリンクの意志 ( No.22 )
- 日時: 2013/05/04 07:16
- 名前: タク ◆9mCc3lFAO6 (ID: 39RfU1Y2)
溶鉱炉エリア3。溶けた鉄が金網の床下に流れ込んでいる。リンクは別に見ても何ともない。が、ツタが完全におびえきっていたので、声をかけた。
「ねえ、ツタ。もしかして、床下が怖いの?」
そう聞かれたツタは、頬を赤く染めた。自分の弱みを見られるのが嫌いなのだろう。
「うっ、うるさい!別にリンクに心配してもらっても、全然嬉しくないから!」
そういって、逃げるように先へ行ってしまった。
「ちょっ、待ってよ、ツタ!」
「あーあ・・・。何であんなことを言っちゃったんだろ・・・。」
ツタは柱にもたれかかってため息をついた。
「僕、酷いこと言っちゃったよね。それに・・・♀なのに、言動も♂っぽいし・・・。嫌われちゃったよね・・・。」
------------どうして素直になれないんだろ。ありのままの自分を受け止めてくれたリンクに、きついことを言っちゃうんだろ・・・。
「ピチュ、ピチュ!(こいつです、クイタランさん!こいつらが、エリア2の我ら、チーム・エレキラットを撃破したうちの1匹です!)」
「ご苦労。」
こっ、この声は・・・!!さっきのピチュー!そして、あのクイタランがここのボス・・・!!
「貴様か、ツタージャ・・・。仲間のコリンクと、呪影騎士団である私のじゃまをするのは・・・。おい、ピチュー!お前はもう行って良いぞ!」
「ピチュッ!」
ピチューはどこかへ行ってしまった。
「お前・・・呪影騎士団だな?」
「無論。プルリル様の命令で、ここの占拠をしろ・・・とな。」
「お前達の野望は、許さない!阻止してみせる!」
ツタはクイタランを睨み付けた。
「どこ行ったんだろ・・・。」
リンクは、ツタを探し回る。
「くそッ、どこに行ったんだ・・・!」
そこに、また野生ポケモンの群れ。ビリリダマ、ミネズミ、バオップ、ココドラ・・・。
「じゃまをするなッ!!」
リンクが体当たりで、ビリリダマに攻撃する。しかし・・・。
「ぐあっ!!」
はじき飛ばされてしまった。
「うぐぐ・・・。こんな時に、ツタがいたら・・・。」
----------目の前がぼやけてきた。体もふらふらする。だめだ・・・。ここで落ちたら・・・。あいつにもう一度会うまでは・・・!!
「やられるわけには、行かないんだァー!!!うおぁぁぁぁぁああ!!」
今のリンクが上げた咆吼で、野生ポケモン達は吹っ飛ばされる。。”ほえる”だ。
「や、やったのか!?よし、先に進むぞ!!」
リンクは倒れたポケモンを横目に、駆けてゆく。
「”ほのおのうず”!!」
クイタランが口から炎を吹き出す。
「きゃあっ!?ど、どうすれば良いんだ・・・。」
(ま、まずい・・・。逃げずに戦ってしまった・・・。リンクがいないから、冷静な判断が出せない・・・。リンクが気になって・・・!)
ツタは寸前でよけ、息を切らしつつ、声を漏らした。
「あきらめろ。コイル!拘束しろ!」
「ビビビ・・・!了解シマシタ!!」
コイル達が、ツタの腕をつかみ、拘束した。
「何をするんだ!!」
「仲間がいるんだろう。ならば、その仲間を誘い出す!!ふははは!」
「きゃ、きゃああー!!」
コイルの”でんきショック”だ。
(リ・・・リンク・・・。)
ツタはそのまま、意識を落とした。
「きゃ、きゃああー!!」
「ツタ!?ツタの悲鳴だ・・・!!待ってろぉ、今行くぞ!!」
リンクは、ツタがいると思われる場所まで、一目散に駆けていった。そして、真っ先に目に入ったのは、コイル2匹に拘束された、ツタだった。
「ツ、ツタァ!!」
「ふははははは!!よく来たな!!貴様のことは聞いているぞ・・・。
リンク!!」
低く、冷たい声が聞こえた。
「お、お前は・・・!!何者だ!!」
「私は、呪影騎士団、灼熱隊のクイタランだ!!待ちわびたぞ・・・!さて、貴様の墓はこの溶鉱炉の床下に流れる、溶けた鉄だ!!」
クイタランが高笑いした。
「はなせよ。」
「は?」
「ツタをっ、離させろォー!!」
リンクが床を蹴り、クイタランの腹に頭突きを食らわせた。
「なめやがって、くそガキがぁっ!!”ほのおのうず”!!」
「ぐああっ!!うっ、うぉぉぉおおおおおお!!!!!」
”ほのおのうず”を食らうも、”ほえる”で、クイタランを吹っ飛ばしたリンク。
「うがぁぁっ!!」
そして、その先は・・・・!!どろどろに溶けた鉄・・・!!
「うっ、うわああああ!あっつぅー!!」
クイタランはほのおタイプのため、やけどで済んだが、大ダメージを負ったことには変わりない。クイタランは、ひぃひぃ言いながら、休んでいる。クイタランは炎こそ平気だが、溶岩や、溶けた鉄には、多少なりともダメージを受けてしまうのだ。
「今、助けるぞ、ツタ!!」
「ビビビ・・・!人質、ハナサナイ・・・!!」
「うるさーい!”スパーク”!!」
スパークが一方のコイルに炸裂した。コイルは目を回して倒れた。
「ビビビ・・・!!ヨクモ仲間ヲ・・・!!」
「食らえ、野生ポケモンめ!!”スパーク”!!」
「ビビビビ!!」
もう1匹のコイルも、渾身のスパークで撃破し、空中に浮いていたツタは地面に落ちた。
「ん・・・・。リ、リンク!?」
「遅れて悪かったな。もう、大丈夫だ。」
「リンク!!ごめんね!僕、君に酷いことを・・・!」
ツタは、泣きじゃくってリンクに飛びついてきた。
「もう、良いんだ。言っただろ、君が傷つくと、俺は困るんだよ!」
「リンク・・・。」
体勢を立て直したクイタランが、こちらを睨み付けた。リンクも睨み返す。
「覚悟しろ、クイタラン!」
「望むところだ!貴様らの墓は、ここなんだよ!!」
第二ラウンドが今、始まる!!