二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第十二話:レイルーク古城の恐怖 ( No.40 )
日時: 2013/05/06 16:19
名前: タク ◆9mCc3lFAO6 (ID: 39RfU1Y2)

 次の日の朝。ツタの家。

「うぅん・・・。リンク・・・。」

 等と寝言を呟くツタ。完全に寝ぼけている。しかし、彼女は寝相が悪いらしい。何故か暖炉の方にまで転がっていた。

「リンクゥ・・・・。僕ぅ、リンクのことがぁ・・・むにゃむにゃ・・・。」
「おはようございますッ!!」
「どわぁ!?」

 突然、大声が扉の方から聞こえた。それで、ツタは飛び起きた。

「な、何事だ!?」

 とりあえず、扉へダッシュし、扉を開けた。なるほど。声の正体が分かった。昨日のバルキーだ。

「姉御ォ!!おはようございます!!」
「わざわざ、挨拶に来るなよ・・・。こっちは良い夢を見ていたのに・・・。」

 そういって、夢の内容を思い返した。次の瞬間、ツタは顔を赤く染めて咳き込んだ。

「ゲホッ、ゴホッ!!」
(な、なんて夢を見ているんだ僕は!!そもそも僕はリンクのことが好きな訳じゃない!!)
「ど、どうしたのですかっ、姉御!!そういえば、リンク殿の名前を呟いていたような・・・。」
「どんだけ耳が良いのさ!!」

 そもそも、バルキーに耳など見あたらないが。しかし、バルキーが詰め寄る。

「本当・・・みたいですね・・・。」
「あっ・・・。」

 墓穴を掘った。さらに、バルキーが詰め寄る。

「怪しい・・・。何故、リンク殿の名前を!!まさか・・・。まさか・・・。」
「いや、違う!これは、その・・・!!」
「おっはよー!!あれ?ツタもバルキーも何やってるの?」

 明るい声がした。振り向くと、リンクだった。

(はぁ・・・。危ない、危ない・・・。)
「リンク殿!!おはようございます!!」
「ああ!おはよう!」
(あれ?)

 ツタは少し、リンクに違和感を感じた。一件、明るく振る舞っているのだが、逆に無理しているようにも聞こえる。

(リンク・・・無理してる?)
「ねえ、バルキー!ところで、君のことを何と呼べば良いかな?」
「え?自分は、野生ポケモンだった頃は”バル”と呼ばれ降りまして。そう呼んでいただければ・・・。」
「それじゃあ、今度からはバルって呼ぶよ。よろしくね、バル!」
「はい、こちらこそ!」

 2匹のやりとりを見ていたが、やはり何か無理しているように聞こえる。

「それでは、自分は掲示板から依頼がないか見に行きます!」
「え!?良いよ!パシリみたいなのは、ちょっと・・・。」

 もう、バルキーは走っていってしまった。

「はぁ、足が速い・・・。」
「す、すごい新メンバーだね。」

 と、次の瞬間・・・。

「ただいま戻りましたぁー!!」
「ズコォー!!早すぎやしないか!?」

 まあ、掲示板が近かったのもあるが、相当バルは足が速いらしい。

「今、”レイルーク古城”という場所に、幽霊が出るという噂が広まっておりまして、調査に行った騎士団が帰ってこないとか。」
「ゆ、幽霊!?」

 2匹の声がハモった。

「あっ・・・・・ゆっ・・・幽霊だってー・・・。ツタ、まさか幽霊は苦手じゃないよ・・・・ねねね・・・・?」
「ま、まっさかー・・・。あ、あははは・・・。リンク・・・こ・・・こそ・・・。」

 2匹の顔がみるみるうちに青ざめていく。(リンクは元から青いが)

「それで、解決した者には、礼金がたんまりレイルークの町の町長から貰えるらしいですよ!」

 バルが二人のやる気を誘おうと、礼金の話を持ち出すが・・・。

「よ、良かったねー・・・。それじゃあ、俺パス。」
「僕もパス。」
「お二人にももちろん、着いて行って貰いますよ!!」

 リンクとツタは泣き叫ぶ。

「そんなー!!幽霊嫌ァー!!」
「俺もだよぉー!!」

 しかし、ツタとリンクは、バルに首根っこを捕まれて引きずられていった。



 レイルーク古城。あちこち、ひびが入っており、そして、形状自体は城と言うよりは、塔のようだ。しかも、天候は曇り。不気味さがより増している。

「ええ、ここには300年前に隣国のセントス城に落とされまして、今でも死んだポケモンの魂が出るとか、出ないとか。」
「嫌だぁー!!帰る!!俺帰る!!」
「僕も帰る!!」 
「来て貰いますよ!!」
「「嫌だぁー!!!」」

 時既に遅し。2匹はバルに引きずられていった。




 レイルーク古城1階。

「うう・・・。お化け怖い・・・。ダメだ・・・。情けない・・・。こんなだと、黄金騎士にはほど遠いなあ・・・。」
「僕は大丈夫だよ!リンクがいるから!」

 ツタが自信ありげに言った。すると、リンクがため息をついた。

「そんなに頼りにしないでよ・・・。俺はゴーストタイプだけは苦手なんだから。」

 すると、ツタが叫んだ。

「リンク!!あれを見ろ!!」
「敵のお出ましか・・・!!」

 すると、現れたのは野生のゴース、ヒトモシ、ゴビット、ヨマワルだった。

「ゴーストポケモン!?何となく予想はしていたけれども・・・!!」

 リンク達は引き下がる。

「ケヒャハハハ・・・!」
「モシシシ・・・!」
「ゴォ・・ビィットォ・・・!」
「ヨーマワルルル・・・!」

 敵達が詰め寄ってきた。とりあえず・・・。

「「「逃げろぉー!!」」」

リンクの理由:怖いから逃げる!
ツタの理由:怖いから逃げる!
バルの理由:タイプ的に相性が悪い。いったん、広いところまで誘う!

 と、まともな理由は1つしかない。すると、猛スピードでヨマワルが突進してくる。

「これでも食らえ!”ねこだまし”!!」

 そういって、ヨマワルを怯ませて遠ざけた。

「屋外に逃げるぞ!!」

 そういって、裏庭に続く扉に駆けた。しかし、そこには・・・。