二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第十三話:古城に住むムンナ ( No.46 )
日時: 2013/05/06 22:17
名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: 39RfU1Y2)

「よっしゃあー!!扉だっ!!開けるぞ!」

 そう叫んでバルがドアノブを捻る。リンクとツタは、もうこんな場所には居られないと言った表情をしている。

「や、やばいよ!来たぞ!」
「よし、待って下さい!これで、開く・・・・あれ!?」

 ドアは開かない。しかも、それがゲル状の物体になり・・・。

「うわああ!!メ、メタモン・・・!!」
「くっそぉ、あっち行け!!」

 バルはメタモンを蹴っ飛ばした。メタモンは飛んでいって、見えなくなった。

「こいつらッ!!寄るな!来るな!近づくな!ああっ!!回復道具、丸ごと取られた!!」

 つるで、何とか応戦しているが、やはり押されている。しかも、ゴースに回復道具を盗られる始末。

「俺に任せて!”スパーク”!!」

 一気に、野生ポケモン達へ電気を放ちながら体当たりを仕掛ける。また、バルがゴビットへ飛びかかり、蹴りを食らわせた。

「ゴビィ・・・!!」
「おらぁっ!!」

 さらに、ゴビットをヨマワルへ投げ飛ばす。二匹は戦闘不能に。さらに、ツタはゴースと戦っていた。

「”グラスミキサー”!!」
「ケヒャハッ!?」

 葉っぱの竜巻を喰らったゴースは、よろめき、落ちそうになる。しかし、直後紫色の息吹をツタへ吹きかけようとした。

「危ないッ!!」
 
 リンクが割り込み、ツタを突き飛ばした。そして、思い切り息吹を吸い込んでしまう。息吹を吐いた後、ゴースは倒れた。

「げほっ・・・げほっ・・・。」
「リンク!!」

 咳き込むリンクに、駆け寄るツタ。しかし、そこへヒトモシが襲い掛かる。

「うおおっ!!」
「モシィッ!!」

 ヒトモシは、リンクの渾身の”スパーク”を受けて、戦闘不能になった。


 
 レイルーク古城、2階。何とか、逃げてこられた黄雷騎士団。

「はぁ、はぁ・・・!!これで・・・大丈夫だろう・・・。」
「何とか全員、片付けたよ!」
「う・・・うん・・・。」

 ガクッ!

「リ、リンク!!」
「だ、大丈夫ですかッ!!」

 リンクは突如倒れた。さっき、ゴースの放った息吹は、猛毒だったのだろう。

「がはっ・・・!!」
「まずい、姉御!自分は何か毒を解せる道具を、持ってきます!」
「た、頼んだよ!」

 ツタは心配そうに、リンクを見た。

「リ、リンク・・・。」
「うっ・・・うう・・・。」

 リンクは呻くと、動かなくなった。恐らく、気絶したのだろう。

「リンク!!ううぅ・・・。リンクが居なくなったら・・・。僕は・・・。」

「焦っちゃダメ・・・。」

「!」

 何か、囁くような声が聞こえた。

「き・・・君は・・・。」

 辺りを見回すと、視界に入ったのはピンク色のポケモン。ムンナだった。ムンナはピンク色のビンを放り投げた。

「この秘薬なら、毒を解せる・・・。」
「え!?」

 半信半疑だが、リンクに飲ませてみるしかない。ぐったりした、リンクの体を起こし、ビンの中の飲み薬を飲ませた。すると、リンクは楽になったように、すやすやと寝息を立て始めた。

「あ、ありがとう!!僕はツタージャのツタ!君は?」
「私はムンナ・・・。周りはみんな、”スピー”と呼ぶわ・・・。」



 バルはどこまで行ったのか分からない。だがしかし、ここで待つしかないだろう。それまでムンナと話をして待つことにした。

「あ、ありがとう・・・スピー。リンクを助けてくれて・・・。」
「良いの・・・。私は当然のことをしたまで・・・。」

 スピーは眠そうな顔で答えた。今度はスピーが切り出した。

「ところで貴方・・リンクに好意を抱いているわね・・・。」
「ちょっ、いきなり何を!?」

 ツタは赤面して叫んだ。

「貴方が♀って事も分かる・・・。私には相手の脳内を見透かす能力がある・・・。」
「ちょっ・・・怖いんだけど・・・それ・・・。まあ・・・良いか・・・。君には隠し事は通用しないみたいだし・・・。」



「成る程。彼は貴方の人格を認めてくれた・・・。それで好きになった・・・。」
「そ、そうだよ・・・。でも・・・僕、こんな性格だし・・・。それに、リンクは何とも思ってない・・・。」

 すると、バルが帰ってきた。

「あれ?バルだ。」
「あのバルキー・・・。貴方の味方?」
「そ、そうだけど・・・。ん?何か様子がおかしいな・・・。バル?どうしたの?」

 確かに、バルの様子がおかしい。

「バル?」
「オマエラ・・・ケシテヤル・・・!!」
「「!!」」

 そう言って、バルは飛びかかってきた。間一髪、避けるツタ。

「何者かに、取り憑かれてる気配を感じる・・・・。」
「ええっ!?」

 スピーの言葉が信じられないとばかりに、ツタが声を上げた。一体、どうすれば良いのか!?