二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ドラゴンクエスト8-光を求める者 ( No.113 )
- 日時: 2013/09/03 23:00
- 名前: 朝霧 ◆CD1Pckq.U2 (ID: 66F22OvM)
いよいよ第一試合、シャウラたち一行は闘技場の舞台に立っていました。
しかし観客はいません。闘技場の観客席には誰もおらず、いるのはシャウラたちとお相手のモンスターたち、審判らしいホイミスライムだけです。
ちなみにシャウラたちと向き合うモンスターは、スライム、しましまキャット、リップスの三体。三体ともジャンプしたり、鼻息を荒くしたりと張り切っていますが、残念な結果になることは目に見えています。
「試合、開始!」
ホイミスライムが触手を降り下ろし、モンスターたちが一斉に襲いかかってきます。——しかし。
「それ!」
エイトがスライムを槍で凪ぎ払い、
「えいっ!」
サラがしましまキャットを剣で切り裂き、セシルが爪で、シャウラが杖でリップスに攻撃して、あっさり試合終了。もう秒殺のレベルに至ってます。これが宿命なんだぜ。
「試合、終了!」
ホイミスライムが宣言し、どこからかホイミスライムが大量に現れました。そして倒れているスライムたちを抱え、闘技場の通路へと消えていきました。
「よし、まずは第一試合突破ね!」
サラがシャウラと片手でハイタッチを交わします。
「やりましたね」
口元に笑みを浮かべてシャウラが言いました。
「敵はどんどん強くなるから、油断は出来ないよ」
エイトが冷静な意見を述べ、皆は気を引き締めます。とここでサラが、
「ところで、シャウラはいつまで敬語使っているの?」
「はい?」
シャウラはきょとんとしました。敬語はシャウラの癖みたいなものです。いつまで、と問われても答えられません。
「私たち友達でしょ? 敬語なんてよそよそしいよ」「こんな感じかしら?」
「そうそう! その方がいいよ!」
サラが手を叩いて喜びました。
*
こうして何回かの戦いを余裕で抜け、とうとうグループの代表を決める決勝戦となりました。
グループの決勝となると、スライムやドラキーより格が高い相手が出てきます。今回の相手は、うごくせきぞう×4です。防御が高い、厄介な相手です。
「では、戦闘開始!」
ホイミスライムの合図で戦闘開始! まずはエイトが先陣を切って攻撃します。しかし、相手の身体は石。大してダメージを与えられません。ひるんでいると、うごくせきぞうは、拳を降り下ろしてきました。動きが鈍いためエイトは身を捻ってかわしました。が、足の裏から突き上げるような衝撃に襲われ、地面に倒れてしまいます。そこに別のうごくせきぞうがでかい足を持ち上げ、エイトを潰そうとします。サラとシャウラは別のうごくせきぞうに通せんぼされ、動くことが出来ません。
どうやら、うごくせきぞうの連携プレーにはまってしまったようです。
このままではエイトが踏み潰されてしまいます。うごくせきぞうたちが勝ち誇った笑みを浮かべます。
が、こいつらは大事なことを忘れていました。この大会は道具使用が可能であると言うことを。
「トーポ!」
エイトはトーポを掌に乗せ、ニヤリと笑いました。
反対の手でかがやくチーズを落とすと、トーポは一口で食べてしまいました。そしてモグモグと口を動かしたかと思いきや、急に息を吐き出しました。辺りの空気を一瞬にして凍らせる輝く息です。触れただけで凍てつかせる冷気に触れたうごくせきぞう二体はあっさり倒れました。
「シャウラ、行くわよ! ベギラゴン!」
「バギクロス!」
こちらではサラとシャウラがベギラゴンとバギクロスを同時に放ちました。炎と竜巻が合体し、炎が渦を巻きながらうごくせきぞうに襲いかかり、残りもすべて撃破しました。
こうして、シャウラたちは残すところ後、二試合となりました。
*
「…………」
とある部屋に、行方不明となっているエルニアがいました。
エルニアは、牢屋のような場所に閉じ込められていました。辺りは石の壁に囲まれ、窓はありません。目の前には鉄格子。鉄格子の向こうには、また別の牢屋が見えますが、中には誰もいません。見張りの姿もありません。
ドルちゃんに連れ去られた後、エルニアは気が付いたらここにいました。 初めは脱出しようとしましたが、武器や道具がないため何も出来ません。エルニアの武器や道具は元の世界に置きっぱなしです。
何も出来なくなると、絶えず不安が襲ってきます。仲間たちは大丈夫か、陛下や姫は無事か。自分より仲間を大切にする、いかにも彼らしい不安です。しかし、その不安は突如襲ってきたむわっとした熱気に払われることとなりました。
〜つづく〜