二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ドラゴンクエスト8-光を求める者 ( No.117 )
日時: 2013/09/04 23:51
名前: 朝霧 (ID: XHLJtWbQ)  

そして出た瞬間、前に魔物たちが立ち塞がりました。さまようよろいが二体。

「次の試合はまだですよ。お部屋にお戻り下さい」

口調こそ丁寧ですが、さまようよろいは手にした剣をエイトたちに向けながら言います。まるで部屋にいろ、と脅しているようです。明らかにおかしい態度に、エイトたちは身構えます。武器を手にし、戦闘体勢に。

「なら、何で剣を向けるのかな?」

エイトが聞くと、さまようよろいは鼻で笑いました。
「……勘のいいガキは嫌いだ」

その瞬間、さまようよろいが剣を降り下ろし、エイトはとっさに剣を横にして受け止めました。金属と金属がぶつかり合う音がし、その体勢のまま固まります。同時にもう一匹のさまようよろいが襲いかかりますが、セシルが飛びかかり、よろいを吹っ飛ばしました。
「ち、やはり何かしら仕組まれていたようだな」

セシルが舌打ち。エイトが均衡を破り、さまようよろいに攻撃。倒したらしく、さまようよろいは青い光となって飛び散りました。
と、そこにものすごい足音。気が付くと、廊下の左右から大量の魔物がこちらに向かってきました。さまようよろいとホイミスライムの軍団です。

「あ、あんな大量の魔物、相手に出来ないよ!」

サラが悲鳴を上げた時、シャウラは冷静に呪文を唱え始めます。メラなどの呪文とは全く違う言語のため、何を言っているかは定かではありません。
その呪文が終わった途端、辺りは強い光に包まれました。そして光が止むと、そこには白いドラゴン——オデットがいました。
突然のドラゴンの登場に、エイトとサラは驚きます。
「ド、ドラゴン!?」
「た、大変。逃げないと」
あたふたする二人の前で、オデットは翼を広げ、空へと舞います。そして灼熱の炎を吐き、魔物たちをあっさり倒してしまいました。さすがドラゴンです。

呆然とするエイトとサラの前に降り立ったオデットは、穏やかに微笑みかけます。

「どうか怖がらないで。私は皆様の味方よ」
「ド、ドラゴンが喋った!?」

驚くエイトを前に、シャウラが目を瞬きさせます。

「あら、お二人ともオデットが見えるのね」
「お、オデット?」

サラが聞いて、シャウラが頷きます。

「そう。このドラゴンはオデット。うーん、簡単に言えば私の"使い魔"みたいなものかしら?」

実はもう一匹、ジークフリートと言う騎士姿の精霊もいますが今回はお休み。

「おい、オデット。お前、エルニアの行方は分からんのか?」

オデットは目を細めます。
「……エルニアは、危ない状況にあるわ」
「ど、どうしたんですか?」

サラが聞いて、オデットは答えます。

「このままだと、エルニアは魔物と結婚させられてしまう」

ドルちゃんがそんなことを言っていましたね。ええ、と一同は驚きますが、オデットは続けます。

「今回のこの大会は、表向きは武道会だけと、真の狙いは違うわ。かつて賢者に封じられた、ある魔物を復活させるのが狙いなの」
「……なるほど。消えた魔物たちは、奴を復活させるための贄(にえ)となった訳だな」

セシルが訳知りがおで言いますが、一同は混乱します。
エイトがオデットに聞きます。

「その魔物って……」
「魔物の名はトロリーナ。トロルクイーンと呼ばれる大変凶悪な魔物です」

メスだからクイーンです。デザインはトロルキングだよ。

「トロリーナはかつて、国中の男を誘拐し、自分の夫としました」
「な、何で夫にするの?」
サラが呆然として聞いて、オデットはため息をつきます。

「夫にする、と言うのは生気を奪うことをさします。男から生気を奪い、自らの力とするのです。生気を全て奪われてしまえば、男はやがて死に至ると聞きます」

その話を聞いた途端、シャウラの背中に悪寒が走ります。

「確かに危ない状況だ。……早く、エルニアさんを助け出さないと」

エイトが言って、皆が頷きます。

「トロリーナはこの地下にいます。しかし、闇の結界が張られているので私はご一緒出来ません。皆様の力でエルニアを取り戻すのです」

「大丈夫! この戦いを勝ち抜いた最強パーティーならトロリーナにも勝てるわよ!」

サラがウィンクし、シャウラも薄く微笑みます。

「みんなの力が合わされば、必ず勝てるわ」

「ふん。私がいる限り、負けはないさ」

とセシル。

「このパーティーなら、負ける気がしないよ」

とエイト。
いよいよ、ラスボスが近付いてきました。

〜つづく〜