二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ドラゴンクエスト8-光を求める者 ( No.122 )
- 日時: 2013/09/06 22:57
- 名前: 朝霧 ◆CD1Pckq.U2 (ID: iP.8TRIr)
瞬間、シャウラは迷わずトーポをひっつかみました。ちゅ、苦しそうな声など気にしません。
シャウラはトーポを掴んだ手を遠慮なく大きく振りかぶり、勢いよく足を上げ、さあピッチャー第一球。
「エルニアーっ! 」
ありったけの力を込めて、トーポをぶん投げました。
「ちゅ——————————————っうぅぅ…………」
哀れ、トーポは悲鳴を上げながら綺麗な放物線を描いて飛んでいきます。
サラとエイトは呆然としながらそれを見やります。トロレーナとトロルーナも見ています。
そして、シャウラが狙った通りエルニアの頭に激突します。
「っ!」
小さな悲鳴と共に、お目覚めのエルニア。痛みに顔をしかめましたが、目の前にトロリーナの顔がある状況に気が付くと、暴れ始めます。ちなみに、トーポはトロリーナの足下で痙攣しながら伸びてました。合掌。
「ってうわあ! 寄るな!」
「ちょ、ダーリン!動かないでヨ!」
エルニアが暴れるせいで、トロリーナの動きが止まりました。
今のうちなら、トロルーナとトロレーナを片付けるチャンスです。ちなみに、エイトとセシルはどっからか沸いてきた普通のトロルを葬っています。
サラがシャウラにそっと耳打ち。
「ねえ、シャウラ。あのトロルーナって言うの、気にならない?」
そして後からあることを言います。
シャウラはとっさに反論します。
「待って。それはあり得ないわ」
「ここは異世界だよ。何があってもおかしくないよ」
そういえばトロルーナはいつも妹、トロレーナの前に立ったまま動きません。
どうして動かないのか、と思った時、シャウラはサラの仮説以外に答えを思い付きませんでした。
ただ、その仮説は普段の世界ならあり得ません。ですが、ここは異世界。それもありなのかもしれません。
それを確かめるため、トロレーナがメラゾーマを唱えている最中に、呪文の横やりをいれます。
「——ニフラム」
呪文の威力は求めていないので、詠唱を飛ばして唱えました。すると、メラゾーマはトロルーナに直撃。トロルーナの背中が真っ黒に焼けました。
「おい、トロレーナ!あたいを殺す気か!」
「ごめんなさいですの、姉さん!」
どうやら当たりのようです。
サラが頷きます。
「やっぱり!まずトロルーナがマホカンタを唱えて、そこに向かってトロレーナが魔法を放つ。そうすれば、魔法は跳ね返る。いつもなら呪文を放った人に返るけど、その際の反射先をコントロールして、私たちに向かうようにしていたのよ!」
つまりマホカンタを利用した反射攻撃だった訳です。マホカンタは通常呪文を唱えた者に跳ね返りますが、今回は跳ね返る相手をコントロールしたのです。いつもならあり得ませんが、異世界なのでこのような現象が起こったようです。
(……すごい人ね)
シャウラは内心、サラに感心していました。わずかな時間からからくりを見つけ出したのですから。
「サラ、すごいよ!」
エイトが誉めて、サラは照れ笑いを浮かべました。
「マホカンタで跳ね返した魔法は、必ず相手に届く。それを逆手にとっているのか」
跳ね返る魔法は恐ろしいことに相手に必ず届きます。それを利用した、恐ろしい技です。
さてからくりが分かればこっちのもの。マホカンタを潰せば、勝手に自滅するでしょう。
〜つづく〜