二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 天然ちゃんの日常2-イナイレ- ( No.8 )
- 日時: 2013/07/05 20:27
- 名前: ゆりかん ◆Qd6XA/vkyQ (ID: Ih1KNt1L)
二話
目の前に広がるは、薄くて暗い壁
霞んでいるせいで、前はよく見えない
あれ?
背中が激しく痛む
まるで内側から火をつつかれているような感じ
痛みと、意識が覚めた時の朦朧とした感じのせいで自分の今置かれてる立場があまり理解できない
あ、思い出した!
私は一人で春奈を探していたら、突然チューリップみたいな変質者(もしくはストーカー)が現れて眠らされそうになったんだ
逃げようとしたけど、背中を蹴られて意識を失った…ってことかな
で、ここはどこよ
見渡してみると、薄暗くて明りのない小さな部屋に入れられてた
いや、閉じ込められてると言った方が正しいのかもしれない
隅には、小さな窓がある
身体の痛みを引きずりながら、窓の近くに寄ってみる
見下ろしてみると、ここはかなり高い場所って事しか分からなかった
あ、でも飛び降りる手もあるなぁなんて考えがよぎったけどたぶんその時の私の頭は相当イカれていたかもしれない
窓が駄目なら扉は?
そう思って近づくとすんなり開いた
「なんだ、鍵かけないで閉じ込めるなんて、どうぞ逃げ出してくださいって言ってるようなもんじゃん」
私をここに運んできた人、相当間抜けだね
ま、いっか!ラッキー
なぜ誘拐されたんだろう
一瞬そんな考えがよぎった
けど、今は逃げ出すことが先
余計なことに気をとらわれて、また捕まったりなんてしたら嫌だ
逃げ出そう
それだけを考えなきゃ
* * *
部屋を出ること数分
果てしなく続く廊下をただひたすら歩いて行く
「…ってなんなのここは!」
…いや、だってね?
あまりに廊下が長すぎる
扉もいくつかあったけど、無防備に開けるほど私は馬鹿じゃない
うーん、やっぱり一か八か
窓を破って脱出しようか?って駄目駄目、打ちどころが悪かったら死んじゃう!(打ちどころも何も、普通に即死です)
「やっと来ましたか、遅いですよ」
ふと、淡々とした声が聞こえた
ヤバ、見つかった!?と思って見渡したけど誰もいない
え…一体どこから声がしてきたの?
「すぐ後ろですけど、どこ見てるんですか」
あわてて振り返ると、流れるような金髪の女の子が目に飛び込んできた
背丈は私と同じ程度
顔も幼い感じなのに、目だけが恐ろしく鋭い。
今なら蛇に睨まれた蛙の気持ちが凄く分かります
…まさしく私は蛙状態
こ、怖いよぉ
「……だ、誰?」
「私の名前はルイ。どうせあなたはあの部屋を抜け出すだろうと思いここで待ってました。かなり遅かったけど」
見透かされてた!?って一瞬思ったけどあんな鍵の付いてない部屋なんて誰でも抜け出すよね?
「えーと…ですね…」
どうしよう…見つかった
もしこの子が私を誘拐した偉い人(?)に私が逃げ出したことを連絡したらすぐにさっきの部屋に連れ戻される
もしくはすぐその場で私の儚い人生は終わっちゃう!
いやいや、考えるんだ風丸沙也香
私の最大の武器は誰よりも速く走れるこの足と
人を気絶させつことのできる声
「ってことで、サヨナラグッバイ♪また会えるといいですね」
ここは逃げる!いざというときは大声を出す!(その大声により、誘拐犯全員が気絶してくれたら有難い)
くるっと向きを変え、そのままハイスピードでダッシュ
走る、走る
ようやく目の前に階段を見つけた
飛び降りよう!そう決心したとき
「逃がす訳ないじゃないですか」
え…?
一瞬目の前に現れた彼女に目が向いてしまった
私より後ろにいたのに…今私を追い越して目の前にいる
この子は…!!
「…確保。今から連れて行きますのでおとなしくしてください。抵抗しても無駄ですよ。その腕を折りますから」
私より足が速い…いや、世の中には双子姫のような人がいるんだ
彼女もその一部だろう(そうそうたくさんいるもんじゃない、むしろ滅多にいない)
そして私の腕をつかむ腕力…正直言ってかなり痛い
爪とか皮膚に食い込んでいるし
逃げる前に私の腕を折っちゃうよ
「あのぉ…自分で歩けますのでその腕を離してくれませんk「ダメです」ですよねえ!!」
あーもう何なの私
口調がアホすぎる!お気楽過ぎる!シリアス味がまったくない!
これって誘拐だよ?
犯罪だよ?私は誘拐されているんだ
もしかしたら今日が命日になっちゃうかもしれない
途端に、考えないようにしていた事が頭の中を渦巻き始めた
どうして私は誘拐されたの…?
まさかこの子が主犯?まさかね
一体どういうことなの
なんなの…?
私は抵抗するのも考えるのもやめた
あせったら負け
なんとなくそんな気がしたから
それに焦ると周りも見えなくなっちゃう
大丈夫、きっと…大丈夫
私なら